「この手拭いで身体を拭いてそれに着替えたら俺を呼んでくれ。十二単だっけ? 衣はこっちによこせ。乾かすから」
「わかりました」
洞窟内には等間隔に金色の羽虫のようなあやかしが岩壁に止まっている。彼らが照明の役割をしてくれているおかげか真っ暗闇ではない。
着物を全て脱いで、手拭いで濡れた個所を拭いてから珠丸が用意してくれた着物に着替える。自分で着物を着るのは中々大変だ。
「着替えました!」
「おうよ!」
珠丸が中庭にある物干し竿っぽい所へ着物や袴を小鳥のような赤いあやかしと共にひょいひょいと釣っていく。その間、私は彼が用意してくれたショウガ入りのお白湯を飲んだ。
お白湯は飲みやすい温かさで、身体の芯から温まっていく。
「これでよし、と……あとはこいつらが乾かしてくれるから放置しておこう」
「赤い鳥みたいなの……あやかしなんですか?」
「ああ、火を使えるやつらだ。……ていうかアンタは島流しにされたわけだがこれからどうするんだ? ていうか何か出来る事とかあんのか?」
えっと、陰陽道は出来るとして……多分料理は火おこしは教えてくれないと無理そうだけど、それ以外ならなんとか。あとは洗濯も一応は……やれるはず。
それらを全て包み隠さず珠丸に伝えると、彼はふんふんと首を小さく縦に振りながら聞いてくれた。
「なるほどな。アンタ思ったよりかはやれる派か」
「やれる派なんですか?」
「ああ。だって姫様って屋敷に奥に住んでて一通りは女房達にまかせっきりだとか」
まあ……間違ってはいないのかな?
「あとは……武器を取って戦うような真似はしないよな」
「まあ……確かにそれらは武人の仕事ではありますよね……」
「これまで俺の仲間のひとりが何人か島流しにあった姫様見てきたけど、皆数年くらいで死んじまったと聞いている」
「わかりました」
洞窟内には等間隔に金色の羽虫のようなあやかしが岩壁に止まっている。彼らが照明の役割をしてくれているおかげか真っ暗闇ではない。
着物を全て脱いで、手拭いで濡れた個所を拭いてから珠丸が用意してくれた着物に着替える。自分で着物を着るのは中々大変だ。
「着替えました!」
「おうよ!」
珠丸が中庭にある物干し竿っぽい所へ着物や袴を小鳥のような赤いあやかしと共にひょいひょいと釣っていく。その間、私は彼が用意してくれたショウガ入りのお白湯を飲んだ。
お白湯は飲みやすい温かさで、身体の芯から温まっていく。
「これでよし、と……あとはこいつらが乾かしてくれるから放置しておこう」
「赤い鳥みたいなの……あやかしなんですか?」
「ああ、火を使えるやつらだ。……ていうかアンタは島流しにされたわけだがこれからどうするんだ? ていうか何か出来る事とかあんのか?」
えっと、陰陽道は出来るとして……多分料理は火おこしは教えてくれないと無理そうだけど、それ以外ならなんとか。あとは洗濯も一応は……やれるはず。
それらを全て包み隠さず珠丸に伝えると、彼はふんふんと首を小さく縦に振りながら聞いてくれた。
「なるほどな。アンタ思ったよりかはやれる派か」
「やれる派なんですか?」
「ああ。だって姫様って屋敷に奥に住んでて一通りは女房達にまかせっきりだとか」
まあ……間違ってはいないのかな?
「あとは……武器を取って戦うような真似はしないよな」
「まあ……確かにそれらは武人の仕事ではありますよね……」
「これまで俺の仲間のひとりが何人か島流しにあった姫様見てきたけど、皆数年くらいで死んじまったと聞いている」