◇ ◇ ◇
珠丸に案内された先にあったのは、ちょっと規模は小さめで簡素だけど立派な寝殿造風の屋敷だった。
生い茂っている木々も、屋敷の周囲はちゃんと伐採されてて管理されているのがわかる。
「えっ……ここもしかして珠丸さんが作ったのですか?」
「ああ。一応仲間達の手も借りたがな」
寝殿造なだけあって、基本部屋を遮る壁はほとんどない。1部屋だけ窓付きとはいえ壁でしっかり遮られている区画はあって、所々に御簾や暖簾みたいなのが設置されてはいる。
「雨風はどうやってしのいでいるんですか?」
「結界を張れば十分しのげる」
「はえ――……なるほど……」
「アンタが暮らしていたようなお屋敷と比べると、粗末かもしれないが……」
いやいや! 十分にすごいです!
「めちゃくちゃすごいですよ!」
「そうか? なんかアンタに言われたら嬉しいな……」
珠丸は少し顔を赤らめながら、右手でぽりぽりと頭を掻いている。
この子……かわいいな。あっこれは私のタイプかもしれない。推しちゃいそう。
「おい、こっちだ。アンタの着替える場所」
指を差した先には洞窟と建物が繋がっている箇所があった。私はそこへ入ると、珠丸が替えの着物だ。と言って手拭いと浴衣風の着物を差し出してくる。
珠丸に案内された先にあったのは、ちょっと規模は小さめで簡素だけど立派な寝殿造風の屋敷だった。
生い茂っている木々も、屋敷の周囲はちゃんと伐採されてて管理されているのがわかる。
「えっ……ここもしかして珠丸さんが作ったのですか?」
「ああ。一応仲間達の手も借りたがな」
寝殿造なだけあって、基本部屋を遮る壁はほとんどない。1部屋だけ窓付きとはいえ壁でしっかり遮られている区画はあって、所々に御簾や暖簾みたいなのが設置されてはいる。
「雨風はどうやってしのいでいるんですか?」
「結界を張れば十分しのげる」
「はえ――……なるほど……」
「アンタが暮らしていたようなお屋敷と比べると、粗末かもしれないが……」
いやいや! 十分にすごいです!
「めちゃくちゃすごいですよ!」
「そうか? なんかアンタに言われたら嬉しいな……」
珠丸は少し顔を赤らめながら、右手でぽりぽりと頭を掻いている。
この子……かわいいな。あっこれは私のタイプかもしれない。推しちゃいそう。
「おい、こっちだ。アンタの着替える場所」
指を差した先には洞窟と建物が繋がっている箇所があった。私はそこへ入ると、珠丸が替えの着物だ。と言って手拭いと浴衣風の着物を差し出してくる。