「不便もしてないし、いいんですけど、
こういうとき、味方がいっぱいいる人は勝って。不特定多数が苦手な私は、ただ責められて、負けるんです、」



1人は嫌いじゃない、むしろ好きなのに。



花瓶が割れても、
授業中にスマホが鳴っても。



集金袋がなくなっても、
体育のときのコーンの出し忘れも、
ぜんぶ、全部、いつのまにか、私のせいになる。



不特定多数じゃなくて、1人だから。



悪いことや嫌なことが起きたとき、
私を見て、信じてくれる味方がいなくて。



気づいたら、不特定多数から、
無鉄砲に責められて、ワルモノにされる。



────人は犯人を作りたがる生き物だから。



そのターゲットになって、
責められることが、どんなに苦しいことか、
きっと、キラキラしてる船木くんには分からないっ。