あの家は傷ついた妖が安心して過ごせる広場として使われることになった。
昔の私の様に虐げられた子や、戦に駆り出され傷ついた子、病に伏した子を保護する拠り所。
私は浄化の異能を必要な者に施す為に修行を始めている。
なかなかうまくいかない事もあるけれど、愛する人達に支えられて勇気づけられている。
もう私は愛する人の傍から消えたりしない。それは弘乃との大事な約束だから。

「貴方も私の前から消えたりしないでよ?もし消えたりしたらのぶと探すから」
「ふふ。分かってるよ。ずっと真弥の傍にいる」
「約束よ?」
「ああ。約束する」

お互いの額をくっつけて微笑み合う。
あの時とは逆に彼から口付けをしてきた。それはそれは甘く愛おしい口付けだった。