急遽セッティングされた送別会の翌日、ソラは転任準備休暇を得たが、同じブロック内での異動のため転居の予定はなく、ミウを誘ってカフェでランチを済ませたあと、二人で海に出た。

 これまでも時々二人で来たことのある海辺の公園だった。
 夏場になると賑々しい海水浴場と化すが、このシーズンの公園の駐車場は、あいにくの小雨模様で、平日ともあって、がらがらに空いている。

 二人は車の座席を倒し、窓を半分開けて波の音を楽しみながら、たまに言葉を交わすだけで、静かに過ごした。