私は友達と買い物に来ていた。

そしてその帰り道のことだった。

突然、前を歩く男性が倒れた。

「ど、どうしたの?!け、健次郎?」

隣の女性、姉が金切り声を上げた。

「兄ちゃん?、、ッ!?息、、してない!?」

後ろにいた男性、弟が胸に手を当て、口元に顔を近づけた。

その倒れた、健次郎と呼ばれた男性は呼吸をしていないようだった。

私はこの目の前の出来事に、私は驚いて突っ立ったまま、動くことができなかった。

隣の友達も、私と同じように固まっていた。

弟は医学に精通しているようで、胸骨圧迫、人工呼吸を始めた。

「咲希さん!AEDお願いします。咲希さん!」

弟が男性の妻、義理の姉のことを呼ぶが、反応がない。

「ダメだ、、。あの、すみません。そこの黒い服のおにいさん、AEDをお願いしてもいいですか?」

弟は義姉に声をかけるのは諦めたようで、私の友達に声をかけた。

「あと、そこのパーカーの子、電話して!」

「え、、?」

「救急車、いいから早く!」

「は、はい、、。」

私はスマホを取り出し、電話をかけた。

「も、もしもし、人が、道で倒れています。、、えっと、とりでがおか駅の前です。倒れているのは、男性で、30〜40代です。、、え?この電話番号ですか?***-###ー7110です。とにかく早くきてください!どんどん顔色が、、。え?私ですか?ただの通行人です。、、はぁ、、名前ですか?ウラヤマです。」

──結構色々なことを聞かれるんだな。

私がそう思って電話を切ったとき。

「ヨウ!、、大丈夫か?」

友達が隣に来た。

AEDを渡してきたようだった。

「うん、、。」

「大丈夫だから。」

力強い彼の声が聞こえた。