私は健次郎の落としたペンを持って病院に行った。

緊急搬送で運ばれるなら大体この病院だと聞いた。

健次郎が搬送されていて助かった。

「ハヅキくん?、、どうしたの?」

隣を歩く友人の様子が少しおかしい。

真っ青な顔をしている。

「いや、、。なんでもねぇよ、、。」

「なんでもなく見えないんだけど。」

「、、嫌なこと、、思い出した。」

少し辛そうに眉間に皺を寄せた。

「そっか、、。」

「ってか、ヨウの方は、本当に大丈夫なのか?」

急に元気な声になった。

「なにが?」

「なにがって、、色々。」

「大丈夫ってさっきも言いましたけど。」

わざと拗ねたように言った。

「本当に?」

──いつもハヅキくんは変なところで勘が鋭い。

真剣な眼差しで私を見つめてくる。

「本当。」

「、、そうかよ。」

彼は追求をやめた。

私たちは病院の外に出た。

私は大きく息を吐いた。

そして、ある場所へ電話をかけた。