「雨夜の様子がおかしい?」

私は思わず訊き返した。

「はい、1人でパソコンと向き合ったり、古い資料を調べたり。本人は調べ物だ、と。」

雨夜がうちに来て1年ほどが経った頃だった。

雨夜とタッグを組んでいる社員が私に報告してきた。

「雨夜がですか、、。どうしたのでしょう、、?」

──資料というと、この会社の仕事のリストか。

これまでの依頼人やターゲットの情報、犯行手順など様々なものが残っている。

社員と私しかそこに入るための鍵は持っていない。

普段そこに入ることは滅多にない。

──勝手に、、雨夜が荒らすなんて、、。なにをしようとしているの?

私はハッとして目を開く。

──まさか、、。いや、雨夜ならやりかねない。

「わかりました。私から雨夜に話しておきます。」

私は社員にそう言った。