「……？」

　倦怠感と身体の節々から鈍い痛みがしたので目が覚めた。白い天井はこれまで見た事が無い代物に見える。

「……ここは？」

　起き上がろうとしたらまた身体の節々が痛み出した。倦怠感も身体全体に岩となって襲い掛かって来る。
　そんな身動きがとりづらい状態で身を起こすと、洋風な内装が目に飛び込んできた。そして今、私がいるのは真っ白なベッドの上。おそらくここは百々家の屋敷ではないのは明白と言える。

「あ、これを鳴らしたらいいのかな？」

　ベッドの右横にある木製の四角い机の上には、金色の呼び鈴があったので鳴らしてみる。すると裕一郎様がすごい勢いで部屋の扉を開けて中へと入って来た。

「桜子さん！」
「あっ裕一郎様。えっと、おはようございます」
「気が付いたようでよかった……あれから2日間意識を失っていたから」

　えっ、そんなに?!　ああ、だから身体の節々が痛いのか。確かに言われてみれば寝すぎた時の痛みと似ているかも。
　
「あの、真之はどうなってるんですか？」
「彼は昨日目を覚ましたが……まだ熱がひいてない」