不安まみれで一杯だ。私なんか、裕一郎様には釣り合わない。ありがたい話は聞かせてもらったけど、やっぱり裕一郎様の側にいていい人間じゃないのかもしれない……。

「君がいいんだ。君と真之君と一緒じゃなきゃ嫌なんだ」

 裕一郎様の赤い目には、私の情けない姿が映り込んでいるのが見えた。

「何度だって言う。俺は君と真之君を愛している。君達と家族になりたいんだよ……!」
「ゆ、裕一郎様……」
「人間だとか、そんなのは関係ない。君と真之君だからだよ」

 熱く語る彼の言葉を聞いていると、胸の中がじんわりと火鉢の火みたいに温かくなってきて、涙が溢れ出してくる。

「っすみません……!」

 私がこんなに誰かに強く求められた事なんて無いから、なんて言い返せばいいかよくわからないし、何をスレば良いかもわからない。
 すると真之を抱いた裕一郎様が私の側に近寄った。

「君の思っている事や考えている事はよくわかるよ。だから今は涙が止まるまで泣けば良い」

 穏やかな笑みを見せる裕一郎様が、神々しく見える。