思わず椅子から立って頭を深々と下げると、真之がうう――っと両手両足を伸ばす。すると私と裕一郎様の近くをそよ風よりも強めの風が通った。
「わっ……!」
「ふぅん、神通力が発現しつつあるのかな。もしかしたら真之君、将来はすごいあやかしになるかもしれないね」
「えっそうなのですか?」
「だって俺と桜子さんの子供だから」
私は人間だからあやかしの事はわからないけど……。でも裕一郎様がそうおっしゃるのならそうかもしれない気がする。
「重ね重ねになるけど、君の実家の事も心配しなくて良い。君と真之君は俺のそばにいたら大丈夫だから」
「裕一郎様……」
「あっ、君の妹は丁重に実家へ送り届けたよ。今頃普通に過ごしているだろうけど……」
今度桜子さんに手を出したら百々公爵家は許さないと言っておいたから。と笑顔で語る裕一郎様。百々公爵家を敵に回せばどうなるかくらい、一之瀬男爵家の両親なら理解できていると思いたい。
でもあの真千子の事だ。また何かしてくるかも……。
「あの、本当によろしいのですか? 男爵家から追放された人間である私なんかをお迎えするなんて……」
「わっ……!」
「ふぅん、神通力が発現しつつあるのかな。もしかしたら真之君、将来はすごいあやかしになるかもしれないね」
「えっそうなのですか?」
「だって俺と桜子さんの子供だから」
私は人間だからあやかしの事はわからないけど……。でも裕一郎様がそうおっしゃるのならそうかもしれない気がする。
「重ね重ねになるけど、君の実家の事も心配しなくて良い。君と真之君は俺のそばにいたら大丈夫だから」
「裕一郎様……」
「あっ、君の妹は丁重に実家へ送り届けたよ。今頃普通に過ごしているだろうけど……」
今度桜子さんに手を出したら百々公爵家は許さないと言っておいたから。と笑顔で語る裕一郎様。百々公爵家を敵に回せばどうなるかくらい、一之瀬男爵家の両親なら理解できていると思いたい。
でもあの真千子の事だ。また何かしてくるかも……。
「あの、本当によろしいのですか? 男爵家から追放された人間である私なんかをお迎えするなんて……」