「次、やっていいですか?」

俺は、恐る恐る手を挙げる。

「うん」

花巻はやっと手を挙げたか、みたいな顔をしながら笑顔を向けてくる。

そして、席を立ち前を見る。

「住友明夜。一年間、よろしく」

花巻と同じように簡潔に終わらす。

特に、好きなことも言うこともなかったから初めから言うことが決まっていると同じようなものだと思う。

すぐに、席に座り息をつく。

案外、緊張するもんなんだなと自分ことなのに他人ごとのように考えている自分に自嘲する。

でも、自分に興味がないんだ。

だから、他人事のように考えられるのだろう。

死んでも生きていてもどちらでもよくて、

何をしていてもどうでもいい。

そんな考えをしている。

仕方がないとは思う。

だって、本当に何も感じないんだ。

ただ、三食できて安全な場所で寝れたら別にそれでいい。

他に何も望まない。