「じゃあ、初めに言い出したのが私だから先に言わせてもらうね」

花巻は、教壇の前からいつの間にか自分の席の前にいた。

「私は、花巻朝瑛(さえ)です。一年間よろくし」

花巻は簡潔に自己紹介を終わらした。

「じゃあ、次俺していい?」

まさか、出席番号順じゃなくて自分から言うのか。

これは、半分ぐらい自己紹介が終わったらするしかないか。

「俺は、藤崎郁登(ふじさき いくと)。よろしくね?」

どう見ても、クラスの中心人物になりうる容姿、性格をした生徒だな。

「じゃあー、次うちね~」

次に手を挙げたのは、髪の毛が茶色で巻かれていた。

これは、世に言うギャルではないのか?

「うちは、木野由愛(きの ゆめ)でーす。髪の毛は一様地毛だから。よろしく」

あの髪の毛は地毛なのか。

綺麗な茶色だったな。

綺麗だから染めているとばかり思った。

そうして、次々と自己紹介をしていく。