門をくぐり、下駄箱があるところまで歩く。

クラスを割り振らされた紙を見つめる。

どうか、どうか変わらない日々が続けれるクラスでありますように。

そう願いながら、自分の名前を探す。

『住友明夜(すみとも あや)』

やっと三枚目の紙に自分の名前を見つける。

「えっと、B組?」

二年B組は、確か北校舎の三階だった気がする。

クラス表が張り出されている場所から、三階上がらなきゃいけないのだ。

そこまで遠くはないのだろうけど、本当に移動するのがめんどくさい。

ササッと三階に上り、B組に入る。

教室の黒板には、座席表が張り出されている。

自分の席は、廊下側から三列目の二番目だった。

自分の席に腰を下ろす。

そして、カバンに入れていたスマホとイヤホンを出す。

ほとんどの学校では、スマホは禁止だ。

だけど、この学校は授業中以外なら使用可能。

スマホに入れているアルバムを流す。

人よりは音楽について詳しいと思う。

それでも、他の人より少し知っているというだけ。

物凄く知っているわけでもない。

自分って案外、個性がないなと感傷に浸っていると、肩をトントンと叩かれる。