「あ、ごめんごめん」

木野は素直に謝り、ジッと見つめてくる。

「今度は何？」

「いや、住友くんと友達になれば花巻ちゃんと仲良くできるかなって」

それって俺を利用するってことだろ。

そんなことを利用する本人の目の前で言ってどうするつもりなのだろう。

「で、花巻ちゃんと友達になった後に藤崎くんと住友くんと友達なる」

だから、と木野が話し続ける。

「これからもよろしくね？」

それだけ言い残して、颯爽と自分の席へ戻って行った。

「なんか嵐みたいだったな」

藤崎が苦笑いを浮かべつつ、木野の席を見つめる。

「確かに、な」

今でも木野が何を企んでいて、何が目的なのかが全く分からない。

花巻とは違う意味で、全く心が読めない人物だ。