「住友くん~」

「あっ」

花巻に呼ばれて、ハッとする。

時計を見ると時刻は、一時間目が終わっていた。

「授業中もボーとしてたし、休憩時間になってもボーとしてるから声かけてみたんだけど」

「ありがと、花巻が声かけてくれなかったらずっとボーとしてたかも」

本当に、声をかけられなかったらいつの間にか放課後になっていたんだろう。

「どうしたの?」

「なんで?」

「だって、ボーとしてるから」

確かにボーとしていたら理由が気になるだろう。

だけど、自分でもなぜボーとしていたのかは知らない。

「さあ?」

「あっ、はぐらかさない」

「えー」

はぐらすも何も、本当に自分でもわからなんだが。