「おおー、見つかった~」

そこには、眼鏡をかけてポワーとしている男の人がいた。

「先生~、教室ちゃんと来てくださいよ」

「はーい」

ポワポワ先生は、花巻の後を追うように職員室から出る。

職員室の扉を閉めると、急に花巻に抱きつく。花巻ってポワポワ先生と秘密で付き合っているのか?

「舞斗(まいと)、住友くんが変な妄想してるから」

花巻がポワポワ先生を引き離す。

「あっ、いたんだ」

ポワポワ先生がこっちを見る。まさか、認識すらされてなかったのか。

「有木舞斗(あきり)。私の幼馴染なの」

「来てくれるのを待ってたよ」

有木先生は、元々迎えに来ることを前提に職員室にいたということは・・・。

「俺ら、もっと早く呼びに行けばよかったんじゃない?」

「あっ、確かに」

「あっ、バレた?」

こんなポワポワしていて、ゆるい人が先生でいいのか?

「これでも、頭だけはいいんだよね」

花巻が、有木先生をチラッと見てため息をつく。