「55.9キロになった!」
朝一番、下着姿で走ってくる里佳子に千佐子と一緒に拍手を送る。
「おめでとう」
「とうそう55キロ台に到達ね」
春からダイエットをしていた里佳子は、徐々に痩せてきたものの、なかなか55キロの壁を越えられなかった。
それが今日初めて達成したので、里佳子は大喜びだ。
「うわぁ人生で55キロなんて久しぶり!体が軽く感じる」
たかが、マイナス100グラム。されどマイナス100グラム。
里佳子につられてダイエットを始めたからその達成感と嬉しさがよくわかる。
「ほんのちょっとの差で自分がすごい痩せたみたいに思えるよね」
「そうそう!心のメガネ?イマジナリーメガネってやつ?大事だよね!」
里佳子のイマジナリーメガネはかなり分厚そうだけど。
千佐子がハッとした。
「あれ、カメラを向けると加工される機能あるじゃない?SNSの投稿用のやつで」
「うん」
なにかしらフィルター加工がついてるし、肌を明るく見せてくれるようになってる。
「某アプリでカメラを起動させたらね。すごいまつ毛もバシバシ、肌もふんわり韓国美肌。きれいにチークまでかかってて」
「びっくりするよね」
「で、私ってこんなちゃんとすれば可愛くなるんだ!って思うでしょ」
「うん、思いたいよね。普通のカメラで自分を見た時の衝撃がすごいけど」
千佐子は続ける。
「でね私思ったの。あれって私のイマジナリーメガネから見た自分なんじゃないかって」
すごむ千佐子の目には真理が映ってる。私たちは思わず頷いていた。
「確かに……あれで撮ってる人は加工すごいなって言う意見もあるけど」
「それくらい自分のこと可愛く見えてるってことだよね」
「そう、しかもそれは私たちにも当てはまるの」
3人同時に頷いた。
「心の中ではあれくらい可愛く見えてるなら、現実でもかわいく見せてほしいよね」
「むしろ心のメガネをみんなにつけてほしい」
「わかる」
「フィルターは罪じゃないよ。真理なんだよ!」
という結論に、美人な人は美人で努力してるよね!みたいな意見は、心の中でみんなそっと隠す結束を結ぶ。
朝一番、下着姿で走ってくる里佳子に千佐子と一緒に拍手を送る。
「おめでとう」
「とうそう55キロ台に到達ね」
春からダイエットをしていた里佳子は、徐々に痩せてきたものの、なかなか55キロの壁を越えられなかった。
それが今日初めて達成したので、里佳子は大喜びだ。
「うわぁ人生で55キロなんて久しぶり!体が軽く感じる」
たかが、マイナス100グラム。されどマイナス100グラム。
里佳子につられてダイエットを始めたからその達成感と嬉しさがよくわかる。
「ほんのちょっとの差で自分がすごい痩せたみたいに思えるよね」
「そうそう!心のメガネ?イマジナリーメガネってやつ?大事だよね!」
里佳子のイマジナリーメガネはかなり分厚そうだけど。
千佐子がハッとした。
「あれ、カメラを向けると加工される機能あるじゃない?SNSの投稿用のやつで」
「うん」
なにかしらフィルター加工がついてるし、肌を明るく見せてくれるようになってる。
「某アプリでカメラを起動させたらね。すごいまつ毛もバシバシ、肌もふんわり韓国美肌。きれいにチークまでかかってて」
「びっくりするよね」
「で、私ってこんなちゃんとすれば可愛くなるんだ!って思うでしょ」
「うん、思いたいよね。普通のカメラで自分を見た時の衝撃がすごいけど」
千佐子は続ける。
「でね私思ったの。あれって私のイマジナリーメガネから見た自分なんじゃないかって」
すごむ千佐子の目には真理が映ってる。私たちは思わず頷いていた。
「確かに……あれで撮ってる人は加工すごいなって言う意見もあるけど」
「それくらい自分のこと可愛く見えてるってことだよね」
「そう、しかもそれは私たちにも当てはまるの」
3人同時に頷いた。
「心の中ではあれくらい可愛く見えてるなら、現実でもかわいく見せてほしいよね」
「むしろ心のメガネをみんなにつけてほしい」
「わかる」
「フィルターは罪じゃないよ。真理なんだよ!」
という結論に、美人な人は美人で努力してるよね!みたいな意見は、心の中でみんなそっと隠す結束を結ぶ。