「あれ、解約した?今年中にシーズンラストまで見るって言ってなかったけ?」
映画を見ようとサブスクでリモコンを操作すると、千佐子が4月から全16シーズンの海外ドラマを見ると決意した登録したサブスクがなかった。
「うーん最近見れなくて。ちょっと止めてる」
「見終わってないんだ。毎日4.5本見てたから」
「シーズン8で止まっちゃって」
「折り返し地点じゃない」
千佐子は話たげになる。私はサブスク代が別にかかるなら別の映画にしようと次の映画を探した。
「楽しいんだけどね。毎日毎日見れるし、みんなに会えるし。登場人物たちの世界に入り込んで、彼らに会えるのはすごく楽しいし、同時に幸せになってほしいと思う」
「だけどさぁ、ちょっとショッキングな映像もあって。それで主人公も死んじゃって」
「まあまあ」
「それは最初から知ってたの。だって完結まで一回は見たことあるから」
子どものころはサブスクなんかなく、夜中に母と起きて見たらしい。
大人になってからようやく全部見よう!と重い腰をあげたのだけど、覚えていた彼らの存在が新しく入ってきて、懐かしい友達と会ったような錯覚に陥ったという。
「ほとんどの設定結構わすれてることにびっくりした。覚えてるやつもあるんだけどね」
「子どもの頃って何歳くらい?」
「小学3年か4年くらい?」
「9歳か10歳のころじゃん!そりゃ忘れてるよ」
「おまけに夜だったから眠かったし。当時はDVDじゃなくてまだビデオを使ってて。テープが伸びるからってなかなか録画はできなくて」
「でもまあ大人だしさ。そういうのも含めてまだまだ先の話にいる登場人物たちに会いたいんだけど」
「うん」
「会って離れていくのが寂しいんだよねぇ」
「え?」
「だって毎日ドラマで会うじゃん。同じ仕事場に出勤するみたいにさ。彼らがどんどん時間がたって、悲しかったり嬉しかったりして。悲しいときは嬉しいとき、早く来い!って思いながら見るんだけど、それが来ちゃうと話が終わってくんだよね」
「つまりお別れするのが寂しいってことか」
「そう。今風に言えば推しとのお別れ?みたいな?」
「続きは見たい気持ちはやまやまあるんだけどね。切り抜きとかたまに見てる」
「切り抜きはいいんだ」
千佐子が見せたのは切り抜きだけど、ドラマの結構大事なシーンばかりで、むしろネタバレじゃんと突っ込んだ。
「これはまた別なんだよ」
「会えるけど、まださよならは言いたくないけど、彼らの幸福を叫びたいときにちょうどいいの」
映画を見ようとサブスクでリモコンを操作すると、千佐子が4月から全16シーズンの海外ドラマを見ると決意した登録したサブスクがなかった。
「うーん最近見れなくて。ちょっと止めてる」
「見終わってないんだ。毎日4.5本見てたから」
「シーズン8で止まっちゃって」
「折り返し地点じゃない」
千佐子は話たげになる。私はサブスク代が別にかかるなら別の映画にしようと次の映画を探した。
「楽しいんだけどね。毎日毎日見れるし、みんなに会えるし。登場人物たちの世界に入り込んで、彼らに会えるのはすごく楽しいし、同時に幸せになってほしいと思う」
「だけどさぁ、ちょっとショッキングな映像もあって。それで主人公も死んじゃって」
「まあまあ」
「それは最初から知ってたの。だって完結まで一回は見たことあるから」
子どものころはサブスクなんかなく、夜中に母と起きて見たらしい。
大人になってからようやく全部見よう!と重い腰をあげたのだけど、覚えていた彼らの存在が新しく入ってきて、懐かしい友達と会ったような錯覚に陥ったという。
「ほとんどの設定結構わすれてることにびっくりした。覚えてるやつもあるんだけどね」
「子どもの頃って何歳くらい?」
「小学3年か4年くらい?」
「9歳か10歳のころじゃん!そりゃ忘れてるよ」
「おまけに夜だったから眠かったし。当時はDVDじゃなくてまだビデオを使ってて。テープが伸びるからってなかなか録画はできなくて」
「でもまあ大人だしさ。そういうのも含めてまだまだ先の話にいる登場人物たちに会いたいんだけど」
「うん」
「会って離れていくのが寂しいんだよねぇ」
「え?」
「だって毎日ドラマで会うじゃん。同じ仕事場に出勤するみたいにさ。彼らがどんどん時間がたって、悲しかったり嬉しかったりして。悲しいときは嬉しいとき、早く来い!って思いながら見るんだけど、それが来ちゃうと話が終わってくんだよね」
「つまりお別れするのが寂しいってことか」
「そう。今風に言えば推しとのお別れ?みたいな?」
「続きは見たい気持ちはやまやまあるんだけどね。切り抜きとかたまに見てる」
「切り抜きはいいんだ」
千佐子が見せたのは切り抜きだけど、ドラマの結構大事なシーンばかりで、むしろネタバレじゃんと突っ込んだ。
「これはまた別なんだよ」
「会えるけど、まださよならは言いたくないけど、彼らの幸福を叫びたいときにちょうどいいの」