「この展示会好きそうじゃない?」
沙織が見せてきたのは、SNSのショート動画に流れているのは、私の好きな絵本の展示会。
とにかくかわいい。グッズも欲しい。めでたいし、愛でたい。
私の住んでる地域で開催中と書いている。
「これは行くしかない」
「でも場所書いてないんだよね」
嬉しい反応を見せる私に、沙織はよかったと微笑ましく見せてくれるが、動画をスクロールしても情報が見当たらないらしい。
コメント欄の日付を覗き込んで気づいてしまった。
「これ、1か月前の話だ」
コメント欄でも『先月終了してます』という、投稿主以外の優しいアナウンスが書かれている。
時すでに遅し、だ。
「行きたかったなぁ…」
一瞬でグッズを家のどの場所に置こうか、予算は何円までにしようかと、巡らせた夢がしぼんでいく。
どうしていつもこういう情報を取り逃してしまうんだろう。
「また今度だね」
励ましてくれる沙織。あ、申し訳ない。
こう思ってしまうのは理由がある。沙織のせいでは決してないから、伝えないと。
「なんかいつもさ、後から知って、行けなかったなぁが多くて」
毎日スマホを触ってるのに、好きなグッズや本や映画の話。どれも後から終わった後、売り切れた後で情報が入ってくる。
「私以外の『これ行ってきました!』っていう報告の情報だけ届いてね。私は『これ行きます!』が欲しいのに」
自分の情報収集の甘さだけではなく、スマホを持っているときに常にSNSをチェックするわけでもない『推す』力が足りてないのかも悟り始めている。
「そういう時は『好き』を公表しとかないと」
「公表?」
必須だよと言う感じでいう沙織。私が知らない上手い方法があるのか。
「私はこれ好きかなぁって思ってても、そこまでファンだったんだ…とびっくりしたんだよね。だから多分、好きって知ってれば、もっと早い段階で教えたり、耳に入るきっかけがあったと思う」
「そういえばちゃんと言ってはないかも」
特に~というわけではく、何かの話をしている段階で『これも好き』と言っている程度だった。
「だから『私が好きなもの〇〇です』って言っておくと自然と情報も集まるよ!あとは好きな情報を持っている人とつながってたりね。その人をマークしとくだけでもいいし」
「こちらがそのおかげで最近手に入れたキャラクターカードです」
コンビニで見かけて沙織が集めているという情報の元、同僚が買ってくれていたらしい。
沙織が見せるレアカードの輝きに、私は目を細めて崇めるしかなかった。
沙織が見せてきたのは、SNSのショート動画に流れているのは、私の好きな絵本の展示会。
とにかくかわいい。グッズも欲しい。めでたいし、愛でたい。
私の住んでる地域で開催中と書いている。
「これは行くしかない」
「でも場所書いてないんだよね」
嬉しい反応を見せる私に、沙織はよかったと微笑ましく見せてくれるが、動画をスクロールしても情報が見当たらないらしい。
コメント欄の日付を覗き込んで気づいてしまった。
「これ、1か月前の話だ」
コメント欄でも『先月終了してます』という、投稿主以外の優しいアナウンスが書かれている。
時すでに遅し、だ。
「行きたかったなぁ…」
一瞬でグッズを家のどの場所に置こうか、予算は何円までにしようかと、巡らせた夢がしぼんでいく。
どうしていつもこういう情報を取り逃してしまうんだろう。
「また今度だね」
励ましてくれる沙織。あ、申し訳ない。
こう思ってしまうのは理由がある。沙織のせいでは決してないから、伝えないと。
「なんかいつもさ、後から知って、行けなかったなぁが多くて」
毎日スマホを触ってるのに、好きなグッズや本や映画の話。どれも後から終わった後、売り切れた後で情報が入ってくる。
「私以外の『これ行ってきました!』っていう報告の情報だけ届いてね。私は『これ行きます!』が欲しいのに」
自分の情報収集の甘さだけではなく、スマホを持っているときに常にSNSをチェックするわけでもない『推す』力が足りてないのかも悟り始めている。
「そういう時は『好き』を公表しとかないと」
「公表?」
必須だよと言う感じでいう沙織。私が知らない上手い方法があるのか。
「私はこれ好きかなぁって思ってても、そこまでファンだったんだ…とびっくりしたんだよね。だから多分、好きって知ってれば、もっと早い段階で教えたり、耳に入るきっかけがあったと思う」
「そういえばちゃんと言ってはないかも」
特に~というわけではく、何かの話をしている段階で『これも好き』と言っている程度だった。
「だから『私が好きなもの〇〇です』って言っておくと自然と情報も集まるよ!あとは好きな情報を持っている人とつながってたりね。その人をマークしとくだけでもいいし」
「こちらがそのおかげで最近手に入れたキャラクターカードです」
コンビニで見かけて沙織が集めているという情報の元、同僚が買ってくれていたらしい。
沙織が見せるレアカードの輝きに、私は目を細めて崇めるしかなかった。