「ん、美味しい! さすが私たち」
 早速食べていたケイティはご機嫌そうな顔で、またスプーンをいっぱいにする。そこに盛られた一口もあっという間になくなった。
 私も食べてみる。
 しっとりしたケーキにとろりと甘いカスタードが絡まって、そこに甘酸っぱいフルーツの味が弾けるように混ざってくる。次の一口は、ふわふわの生クリームがいっぱい。
「うん!」
 脇に置いてたグラスも再び持ち上げて一口。このさっぱりした感じも、クリーミーで甘いデザートといいバランスになってる。
 数分とたたないうちに二人分の取り皿は空になった。
 だけど、見下ろすボウルはひとかけらの空洞を除いてトライフルで溢れそうになっている。
 数秒の沈黙。私たちは再びスプーンを構えた。
「食べてる途中で飽きないことを願いましょう」
「……ね」