「グループチャットの参加申請、まだ許可されてないな」

「3日間という猶予はログ消去の為とみていい。僕を陥れる算段を消しておかないといけないだろう?」

「確かに! 谷って土日は塾で忙しいらしい」

「僕が申請した時点で、君が告白した証明は完了。条件の1はクリア」

「後はキス写真を撮る……」

 目配せすると道永は嫌そうな顔をした。

 俺達はキッチンからリビングへ場所を移し、ソファーに並んで座っている。1人分のスペースがきっちり開けて。

「言っとくけどキスにビビってるんじゃないから!」

「はいはい」

「うわっ!」

 道永が急に腰を上げるので仰け反ってしまった。

「こ、これは道永を意識してるとかじゃなくて! 罰ゲームだとしても心の準備は必要じゃない?」

 見下ろす瞳は当然こんな嘘など見抜けるだろうに、形を変えない。

「飲み物を持ってくる。君も飲む?」

 しばらく沈黙が流したのち、何事もない風に言う。

「ク、クリームソーダがいい!」

「あるはずないだろ、そんなもの」

 道永は冷蔵庫を覗き込む。庫内灯は横顔を青白く浮かび上がらせ、それが妙に大人っぽい。

「ミネラルウォーターとトマトジュース、どちらにする?」

「は、健康志向かよ!」