「要約すると君は罰ゲームで『好きでもない僕に告白した』そうすれば今までのツケを相殺して貰えるから。
 なら僕からも提案しよう『僕と付き合えれば』相殺だけじゃなく、ツケの倍の報酬を出さないかと交渉してみない?」

 屋上へ誘い出した道永のシャツは風をはらみ、羽ばたきに似た音を出す。
 それは良く晴れた日。飛行機が雲を割り、蝉がうるさく鳴いている。

「つまり僕と組んで谷達を騙し返してやろうよ、いいだろう? 花村サツキ君」

 しかめっ面で道永は言ったんだ。