そうあって当然だけど、ちょっと残念だった。

 合宿中は当たり前のように会えなかったのだし、それからもまだ会えていなかったのだ。

 単純に、一週間近く顔を合わせていなかった。

「玲望、今日、邪魔してもいいか?」

 つい言っていた。

 言ってから気付いた。

 これでは玲望と別れるのを惜しく思っている気持ちが丸出しではないか。

 からかわれるだろうか。

 ひやりとしたけれど、幸い、そうはならなかった。

 玲望はレジに向かいかけていたところから足を止めて、振り返って、頷いてくれた。

「ああ、いいぜ。遅番だからちょっと遅くなるけど」

 ほっとした。

 そして違う気持ちが湧いた。

 すなわち、玲望も会うことのなかったこの数日を、いくらかは寂しく思ってくれていたのではないか、という。

 外れていない気はした。