ちょっと疲れた。

 休憩したほうがいいだろう。

 よって瑞希は椅子を立った。

 部屋を出る。

 なにか飲み物や、あれば菓子なんかも欲しい。

 そうだ、今日も暑いのだからアイスでもあればもっといい。

 とんとんと二階からの階段を下りて、キッチンへ入って物色したのだけど。

 望んだものはなかった。

 冷蔵庫には母が常備してくれている麦茶があったけれど、甘いものやしょっぱいものといった、おやつになりそうなものはない。

 ちょっと悩んだ。

 外に出るのは億劫だ。

 なにしろ暑い中。

 単純に面倒。

 けれどおやつが欲しい気持ちと天秤にかけたら、結局そちらのほうが勝った。

 面倒ではあるが、冷たいものでも買えば、その暑さだって帳消しだ。

 なんて、自分に言い聞かせるための言い訳をくっつけて、瑞希は一旦部屋に戻って財布とスマホを掴んだ。

 ポケットに入れて、徒歩十分ほどのコンビニへ向かったのだった。