七月に入り、ボランティア研究部で新しい議題が持ち上がった。

 すなわち、夏休みの活動についてである。

 夏休みにはひとつ大きなことをしようと瑞希は考えていた。

 毎年しているように、合宿の予定はある。

 遊ぶのは勿論であるが、部活の合宿なのだ。

 それよりメインなのはその先での活動。

 ボランティア研究部としてふさわしい活動をするのだ。

 去年のことを考えつつ、会議をおこなった。

 一年生からも意見を取り入れたかったので、部室にぎゅうぎゅうになってしまったが、部員全員を招集した。

 まずは去年の合宿模様について説明する。

 海へ行ったとか、小学生相手に活動したとか、詳しく話す。

 去年もいた二年生と三年生はよく知っているだろうが、一年生は初めてなのだ。

 みんな、真剣に聞いてくれて、前で話す瑞希はほっとした。

「それで、今年の活動だ。ボランティアとしてメインになりそうな案を出してくれ。合宿先はそれも考慮して、ある程度自由がきくから」

 まずは話し合っていいぞ、と言ったので部室の中はざわざわしだした。

 ボランティア研究部の部員たちは真面目な者が多い。

 ボランティアは『ひとのためになにかをする活動』である。

 そりゃあ真面目な者が集まるだろう。

 興味本位でやってきた者たちはとっくに辞めていったし。