「あ、そだ。コンビニ寄っていいか? 今、『citrus』のフェアやってんだよ」
「んっ? ……ああ。バンドだっけ」
玲望は新しいコートについて考えていた、という顔をこちらに向けて、一瞬だけ考えて正解を言った。
『citrus』は瑞希の好きなロックバンドなのだ。
そこそこ人気がある。
「そう。菓子いくつか買うとクリアファイルもらえるやつ」
玲望にとっては贅沢の部類にあるような買い物も、もう過度に気づかったり様子をうかがったりする方が失礼だと思い知っていた。
なのでちょっとの罪悪感は覚えつつも、瑞希は欲しいものを素直に言った。
「いいぜ。行こう」
玲望もなにも気にした様子がない、という様子で言い、そのままコンビニに向かうことになった。
実際に気にしていないのだ。
元々あまりそういうものには興味がないようだ。
合理主義、ともいえるのかもしれない。
基本的にあまり無駄なものというのを好まない。
だからこそ、玲望が手にするものは『本当に必要なもの』『自分にとって大切なもの』ばかりなのであって、瑞希にとっては、自分がそういうものになれたなら、なんてまだ願望でしかないことを時々思ってしまうのだった。
だからといって、自分も同じようにする必要はないけれど。
よって瑞希は入ったコンビニで、クリアファイルと菓子を物色しはじめた。
「んっ? ……ああ。バンドだっけ」
玲望は新しいコートについて考えていた、という顔をこちらに向けて、一瞬だけ考えて正解を言った。
『citrus』は瑞希の好きなロックバンドなのだ。
そこそこ人気がある。
「そう。菓子いくつか買うとクリアファイルもらえるやつ」
玲望にとっては贅沢の部類にあるような買い物も、もう過度に気づかったり様子をうかがったりする方が失礼だと思い知っていた。
なのでちょっとの罪悪感は覚えつつも、瑞希は欲しいものを素直に言った。
「いいぜ。行こう」
玲望もなにも気にした様子がない、という様子で言い、そのままコンビニに向かうことになった。
実際に気にしていないのだ。
元々あまりそういうものには興味がないようだ。
合理主義、ともいえるのかもしれない。
基本的にあまり無駄なものというのを好まない。
だからこそ、玲望が手にするものは『本当に必要なもの』『自分にとって大切なもの』ばかりなのであって、瑞希にとっては、自分がそういうものになれたなら、なんてまだ願望でしかないことを時々思ってしまうのだった。
だからといって、自分も同じようにする必要はないけれど。
よって瑞希は入ったコンビニで、クリアファイルと菓子を物色しはじめた。