清掃は二時間弱で終わった。

 放課後からはじめて、下校時間になったので終了だ。

 特に急ぎでもなんでもない活動だったので、部員同士で挨拶だけしてあっさり解散になった。

 今日も良く働いた。

 瑞希は満足して、うーん、と伸びをしながら校門へ向かった。

 場所やものが綺麗になるのは気持ちがいい。

 元々掃除は苦でないので、ボラ研、合ってるみたいだなぁ、と改めて噛みしめながら帰ろうと歩いていたのだが。

「あの」

 声がかかった。

 何気なく振り向いて、瑞希はちょっと驚いた。

 そこにはよもぎ男……と呼ぶのは失礼か。

 先程会って少し会話をした、金髪をした綺麗な彼が立っていたのだから。

 よもぎの袋は見えなかった。

 通学鞄を肩にかけた、普通の格好だ。

「……ああ。さっきの」

 瑞希が答えると、瑞希が覚えていたことにだろうか、彼はほっとしたような顔をした。

「ちょっといい?」

 ちょっといい、とは時間がだろうか。

 なにか用事でもあるというのか。

 不思議に思いつつ、瑞希は「いいけど」と答える。