「待てよっ!!凜…っ」


腕を思いっきり掴まれ、流石にそれを振りほどくまでは出来なくて、後ろをを振り向くことなく仕方なく立ち止まった。


「…んだよ」

「もう、会わないつもり…?」

「…っ」


返す言葉もなくて黙って鬱向いていれば、悠真の優しい声がどことなく寂しく聞こえる…


「なぁ…凜…」

「…なに」

「俺さ?お前と改めて過ごして思ったんだけどさ…」

「…うん」

「俺、やっぱお前が好きだなって…」


は?この期に及んでこいつ何言ってんだ…
ふざけてんなら大概にして欲しい。

ずっと我慢してたのに…っ!

お前の手に触れたくて抱きしめて欲しくて、隣にいるのが嬉しくて苦しくて気持ちがぐちゃぐちゃで…

なのに好きだなんて、俺はどうしたらいいんだよ…っ!

やっぱり無理やりにでも振り解けばよかった。

溢れだしそうな気持ちが涙と一緒に込み上げてくる。


「なぁ…っ、わかってて言ってんのかよ…っ」

「わかってるよ…っ!だから俺は真剣に…っ」

「全然わかってねぇよっ!一生のお願いって言うから今日までめっちゃ我慢して気持ち抑えて来たのにっ!それに言っただろっ!?俺の好きはお前とは違う!ヤりてぇとかそう言う…っ」


込み上げる感情が抑えられなくて怒鳴り散らすと、掴まれてた手を引っ張られ悠真の寂しそうな顔が近づいたかと思ったら、唇に柔らかい感触を感じる…

俺は、何が起きてるのか分からなくて、ビックリして固まったまま動けなかった。


「そうだよな、そんなの信じて貰えないよな。今まで回りくどいことして悪かった…」

「なっ、何言って…っ////」

「俺、お前が好きなんだよ…」

「だ…っ、だから俺はっ!!」

「俺も同じだから…っ!凜とやりてぇとかちゅーしたいとか、そういう事考えてんの…っ、それじゃダメ…?」

「う、嘘…っ、だって…お前…っ」


放心状態の俺は悠真に引き寄せられ抱きしめられると、今まで我慢してたものが一気に溢れだした。


「凜の気持ち知った時、正直マジで戸惑ったよ。けど凜が俺から離れていって分かったんだ…このままじゃ絶対嫌だって…」

「そんなの…っ、勘違いだろっ…」

「俺も最初はそう思ったよ、離れた寂しさで一時的に気になってるだけだろうって。でも、何やっててもお前の事が気になるし、頑張って忘れようと色々してみたけど忘れらんなかったし、それなのに余計にどんどん好きになっちゃうしっ…」


悠真が…?俺を好きに…?
そんな事あるわけないじゃんっ…

思いもよらぬ告白に俺の頭の中はぐちゃぐちゃで、流れてくる涙も止まんないけど、確かに今俺は悠真の腕の中にいて…
でもやっぱり信じられなくて。