熱も下がり、2日ぶりに学校に来た俺は屋上で一人昼休みをやり過ごしていると、久しぶりの悟から声をかけられた。


「悟…なんか、ごめんな?色々と…」

「ううん、仕方ないって!でも俺、振られても凜ちゃんの事好きだし♡」

「…そうかよ///」

「うん!友達としてね♡」


友達として…か。
そんなに簡単に割り切れるもんなんだろうか…

もし俺が悠真に思いを告白したとして振られて、それでも俺は悠真を友達として、今まで通り接する事が出来るだろうか。

例え俺がそれで良くても、悠真が受け入れてくれるとは限らないし、そんなの俺が耐えられない。


「凜ちゃん…?」

「ん!?あ、ごめん…」

「ねぇ、今悠ちゃんの事考えてたでしょぉ」

「はぁ!?違ぇし…っ///」

「凜ちゃんさ?悠ちゃんの事好きなんでしょ?何で告白しないの?」

「何でって…そんな簡単じゃねぇだろ…」

「もう卒業なのに…?」

「いいんだよ…っ、このままで…」

「そっかー、意外と上手くいくかもしんないのになぁ…」

「そなわけねぇだろ…」


あるわけない。
そんな事があったら、逆に俺がどうしていいかわかんねぇよ…

でもそうだよな…もう卒業。
振られたとしても今みたいに顔合わせることも無くなれば、諦めがつくってもんかもしれないけど…


「てか悟さ…最近、尚人と仲良いじゃん?」

「うん!あいつ俺の事好きなのっ!」

「え?そうなの!?」

「ふふっ…たぶんねー」

「たぶんかよ、にしてもすげぇ自信だな…」


2人で笑い合うとちょうど昼休みが終わる鐘が鳴り、俺らは慌てて食い散らかした物を回収して屋上から撤退しようとすると、物陰に隠れる人の姿が目に入った。


「え、悠…真…?」


聞いてた!?どっから…何の話を!?

いや、どの話にしたっておかしい事しか話してなかったろ…

せっかく下がった熱がまた上がって来たんじゃないかと思うくらい体が熱くなって、俺は二人を置いて屋上から逃げ出した。