私達の間に沈黙が続く。けれど、私は誰も私達に声をかけないことに安心していた。少し経ってから、レンがサクに対して口を開く。
「何で僕も行かなきゃいけないの?華恋と任務なんてしたくないんだけど。ねえ、サク兄さん答えてよ。」
この子は15歳の第4王女、レン。一見して男の子に見えるほどの声の低さと、紫色の髪の毛の短いさが特徴。
そして、私に対してすごく冷たい。いつも考えるが何が気に食わないのか、ほとんど関わらない私には分からなかった。
「僕が決めたんだ。レンには悪いかもだけどお願いできるかな?」
「…。分かった。」
レンは小さく舌打ちをして言った。まあ、サクには逆らえないし仕方がない。
けれど、この会話を聞くとなんとなく兄妹って感じがする、そんな不思議さがある。きっとサクもサクなりに、妹のことを想っているからだろう。
「じゃあ明日車を出しておくから、今日中に荷物をまとめてね。あと、スカイ学園の制服とかは後で運ばせるよ。」
そう言って執事と思われる男と一緒に部屋を出て行った。パタンとドアが閉まるのを見て、皆バラバラと解散していった。
「さあ、私は準備があるし、帰りましょうか。」
私が振り返り、瑠璃華と羅華を見ると2人ともコクコクと頷いた。
私は雨晴家に着くなり自分の部屋に行き、早速支度を始めた。といっても、ある程度ものは揃っているそうなのであまり用意するものはなかった。
「よし!こんなものかしらね!」
準備を思ったより早く終えることができてよかった。こんな事で徹夜なんて嫌だからね。
その後、やることがなくなった私は武器磨きを始めようと拳銃、短剣、長剣などをザッと出した。武器磨きを始めてから30分後くらいに部屋のドアがノックされた。
「どうぞ。」
気配から察するに3人。誰だろうと思いながら、返事をする。ガチャリと音を立てて入ってきたのはやはり3人で瑠璃華、羅華、それからユキだった。
「あら?ユキも来たの?メア家から雨晴家まで少し時間かかるのに…。」
ナイトメア所属だからといって、家が隣同士というわけではないのだ。それに、メア家に続く道は坂になっていて、体力のないものにはきついだろう。それなのに、ユキはわざわざ私のところに来てくれたのだ。
「大丈夫!僕、体力あるし!」
「…ふふっ。そうだったわね。兄弟で1番体力があるのよね。」
メア家の兄弟7人はそれぞれ特化しているものが違うので、お互いに助け合って任務をしている時もあるそう。まあ、ごくまれに。大体1人で大丈夫っぽいし。
私は3人分椅子を用意した。それから、座るようにうながした。
「用があるから来たのでしょう?3人とも座って!えっと、紅茶でいいかしら?」
「うん!ありがとう華恋ちゃん!瑠璃華ちゃんも、羅華くんも座ろ〜?」
ユキは気遣いもできるし、明るいしでぶっちゃけ私よりしっかりしてるような気がする。その上、瑠璃華や羅華、私からの信頼も厚いのだ。皆、実の弟のように可愛がっている。
「はい。どうぞ〜。」
私は入れ終わった紅茶を3人の前に置き、真ん中に砂糖を置いた。
紅茶を一口飲み、ふぅっと息をつくてから尋ねる。
「それで、どうしたの?」
3人は黙ったまま、お互いの顔を見合った。それから、羅華が答えてくれた。
「明日、華恋姉さんが出発しちゃうから。その、一緒に過ごしたいなーって…。」
遠慮がちに言った事から察するに、断ると思っているのか、言いたいことが違うのか。まあどちらにしても答えなんて決まっている。
「いいわよ!今日は遊び倒すわよー!!ユキもね!」
笑顔で3人を見る。私の声を聞いて、瑠璃華が立ち上がる。
「よ〜し!パジャマパーティーやろー!!」
瑠璃華の張り切った声に合わせて、動き出す。
その後私達は深夜過ぎまでずっと遊び続けた。
(もし、普通の社会に生まれることができたならこんな風に…)
なんて考えてしまった。
「何で僕も行かなきゃいけないの?華恋と任務なんてしたくないんだけど。ねえ、サク兄さん答えてよ。」
この子は15歳の第4王女、レン。一見して男の子に見えるほどの声の低さと、紫色の髪の毛の短いさが特徴。
そして、私に対してすごく冷たい。いつも考えるが何が気に食わないのか、ほとんど関わらない私には分からなかった。
「僕が決めたんだ。レンには悪いかもだけどお願いできるかな?」
「…。分かった。」
レンは小さく舌打ちをして言った。まあ、サクには逆らえないし仕方がない。
けれど、この会話を聞くとなんとなく兄妹って感じがする、そんな不思議さがある。きっとサクもサクなりに、妹のことを想っているからだろう。
「じゃあ明日車を出しておくから、今日中に荷物をまとめてね。あと、スカイ学園の制服とかは後で運ばせるよ。」
そう言って執事と思われる男と一緒に部屋を出て行った。パタンとドアが閉まるのを見て、皆バラバラと解散していった。
「さあ、私は準備があるし、帰りましょうか。」
私が振り返り、瑠璃華と羅華を見ると2人ともコクコクと頷いた。
私は雨晴家に着くなり自分の部屋に行き、早速支度を始めた。といっても、ある程度ものは揃っているそうなのであまり用意するものはなかった。
「よし!こんなものかしらね!」
準備を思ったより早く終えることができてよかった。こんな事で徹夜なんて嫌だからね。
その後、やることがなくなった私は武器磨きを始めようと拳銃、短剣、長剣などをザッと出した。武器磨きを始めてから30分後くらいに部屋のドアがノックされた。
「どうぞ。」
気配から察するに3人。誰だろうと思いながら、返事をする。ガチャリと音を立てて入ってきたのはやはり3人で瑠璃華、羅華、それからユキだった。
「あら?ユキも来たの?メア家から雨晴家まで少し時間かかるのに…。」
ナイトメア所属だからといって、家が隣同士というわけではないのだ。それに、メア家に続く道は坂になっていて、体力のないものにはきついだろう。それなのに、ユキはわざわざ私のところに来てくれたのだ。
「大丈夫!僕、体力あるし!」
「…ふふっ。そうだったわね。兄弟で1番体力があるのよね。」
メア家の兄弟7人はそれぞれ特化しているものが違うので、お互いに助け合って任務をしている時もあるそう。まあ、ごくまれに。大体1人で大丈夫っぽいし。
私は3人分椅子を用意した。それから、座るようにうながした。
「用があるから来たのでしょう?3人とも座って!えっと、紅茶でいいかしら?」
「うん!ありがとう華恋ちゃん!瑠璃華ちゃんも、羅華くんも座ろ〜?」
ユキは気遣いもできるし、明るいしでぶっちゃけ私よりしっかりしてるような気がする。その上、瑠璃華や羅華、私からの信頼も厚いのだ。皆、実の弟のように可愛がっている。
「はい。どうぞ〜。」
私は入れ終わった紅茶を3人の前に置き、真ん中に砂糖を置いた。
紅茶を一口飲み、ふぅっと息をつくてから尋ねる。
「それで、どうしたの?」
3人は黙ったまま、お互いの顔を見合った。それから、羅華が答えてくれた。
「明日、華恋姉さんが出発しちゃうから。その、一緒に過ごしたいなーって…。」
遠慮がちに言った事から察するに、断ると思っているのか、言いたいことが違うのか。まあどちらにしても答えなんて決まっている。
「いいわよ!今日は遊び倒すわよー!!ユキもね!」
笑顔で3人を見る。私の声を聞いて、瑠璃華が立ち上がる。
「よ〜し!パジャマパーティーやろー!!」
瑠璃華の張り切った声に合わせて、動き出す。
その後私達は深夜過ぎまでずっと遊び続けた。
(もし、普通の社会に生まれることができたならこんな風に…)
なんて考えてしまった。