おたがいの仕事も生活リズムもちがうので、日中に顔をつき合わせることはなかったけど、夜だけはうちでいっしょに食事をすることが多かった。
と、いっても料理するのはもっぱらあたし。伴さんは片付け担当。
「あたし、料理は苦手だから」
なぜか自信たっぷりな感じで伴さんは言い切った。
彼氏と暮らしてたときもガス台は一切使わず、電気ケトルぐらいしか使わなかったらしい。作ることじたいも気が進まないけど、台所が汚れるのがイヤなのだそう。
だけど、料理しないぶん掃除には力を入れてくれるんで、あたしとしては助かるといえば助かる。
「はい、今日は温玉明太チーズうどん」
あったかいうどんにとろけるチーズと温泉卵、それにピリッとした明太子がからみ合うのが絶妙なの。
コールスローサラダもいっしょに。
ところが、伴さんはすぐに手をつけようとしない。
「うどんキライ?」
「ううん、そうじゃなくて。希世子って、どんなに忙しいときもなにかしら自分で作るわよね。そういうとこ、えらいなって思って」
あれあれ、ほめられた。珍しい。
「むかしはさ、食べるものとか栄養バランスとかぜんっぜん興味なかったんだけど、一度倒れて病院の先生に怒られてから、料理に関心持つようになったんだ」
「それってダンス部のとき?」
おやっ?
「あたしがダンス部だってどうして知ってんの?」
「だって、いろんな大会出てたし、学校でもたびたび発表やったりして目立ってたから」
意外。伴さんにそんなふうに思われてたなんて。
「正確にはダンス部の前。中学のとき、文化祭で友だちと当時好きだったアイドルのコピーやったとき、めっちゃくちゃ練習して超盛り上がったんだけど、その後フラフラであたし体育館の袖階段から落ちそうになったんだ。で・も! ここからがびっくりなの!」
「びっくり?」
「ヤバいな! って思ったときに、すっごいイケメン男子があたしのことしっかり抱きよせて助けてくれたんだ! ドラマみたいじゃない?」
と、いっても料理するのはもっぱらあたし。伴さんは片付け担当。
「あたし、料理は苦手だから」
なぜか自信たっぷりな感じで伴さんは言い切った。
彼氏と暮らしてたときもガス台は一切使わず、電気ケトルぐらいしか使わなかったらしい。作ることじたいも気が進まないけど、台所が汚れるのがイヤなのだそう。
だけど、料理しないぶん掃除には力を入れてくれるんで、あたしとしては助かるといえば助かる。
「はい、今日は温玉明太チーズうどん」
あったかいうどんにとろけるチーズと温泉卵、それにピリッとした明太子がからみ合うのが絶妙なの。
コールスローサラダもいっしょに。
ところが、伴さんはすぐに手をつけようとしない。
「うどんキライ?」
「ううん、そうじゃなくて。希世子って、どんなに忙しいときもなにかしら自分で作るわよね。そういうとこ、えらいなって思って」
あれあれ、ほめられた。珍しい。
「むかしはさ、食べるものとか栄養バランスとかぜんっぜん興味なかったんだけど、一度倒れて病院の先生に怒られてから、料理に関心持つようになったんだ」
「それってダンス部のとき?」
おやっ?
「あたしがダンス部だってどうして知ってんの?」
「だって、いろんな大会出てたし、学校でもたびたび発表やったりして目立ってたから」
意外。伴さんにそんなふうに思われてたなんて。
「正確にはダンス部の前。中学のとき、文化祭で友だちと当時好きだったアイドルのコピーやったとき、めっちゃくちゃ練習して超盛り上がったんだけど、その後フラフラであたし体育館の袖階段から落ちそうになったんだ。で・も! ここからがびっくりなの!」
「びっくり?」
「ヤバいな! って思ったときに、すっごいイケメン男子があたしのことしっかり抱きよせて助けてくれたんだ! ドラマみたいじゃない?」