* * *

 翌日、我が宮殿にはイザベラに頼んだ通り魔法学を教えられる家庭教師ーーではなく魔術師が来た。らしい。


「ちょっと!イザベラどういうこと!?」
「ミカエル様!申し訳ございません!!」

 早速イザベラのところへ行くとなぜか謝られた。
 私はとても感謝していると言うのに、誤解だ。

「何言ってるの!私は感謝を伝えにきたのよ!」
「どういうことでしょうか...?」

 イザベラは完全に怒られると思っていたらしく、よくわからない、という表情で先程から私を見ている。

「だってー!魔術師の方が教えられる幅が広いでしょ!最高じゃない!!」

 そう言うと、何かを察したらしい。流石頼れる相棒ね!
 しかし、急に表情が曇り出した。

「ミカエル様、どうか無茶はお控えください」
「失礼ね!私をなんだと思っているの!」
「頑固で聞き分けの悪い我儘娘ですかね」
「なんですって!」

 完全に揶揄われている。でももしそれが本音だったら...!!

 しかし、そんな心配は要らなかったらしい。

「冗談ですよ。何事にも一生懸命で、明るくて、とても可愛らしいと思っております」
「〜〜っ、そっ、そうねっ!!よくわかってるじゃない!」

 強がってしまったが、内心嬉しい。というかただの照れ隠しだ。
 とりあえず今は照れていることに気づかれないように足早にここを立ち去ろう。イザベラにバレたら絶対揶揄われる。

「それじゃあ待たせるわけにもいかないから私は戻るわね!」
「くれぐれも無茶はしないように!お気をつけてくださいね〜!!」