1度目の人生、私は俗にいう〝悪女 〟という存在だったのだろう。でも本当に悪事を働いたかというと全くもってそんなことはない。
 きっと初めから、王家で生まれ育ち、世間知らずだった私を〝ヒロイン 〟と思われる人物が嵌めていたのだ。気付かぬ間に私は悪女といいレッテルを貼られていた。。まんまと罠に嵌められた私も悪いのかもしれない。


 しかし、それだけではない。知らぬ間にもヒロインによって長期に渡り毒を摂取させられていたため終いには、無情にも命を落としてしまった。


 人生最期に視界に映ったのは、ヒロインの憎たらしい笑みと、戦友であり親友であった隣国の王子の必死な表情。今でも鮮明に覚えている。特に、ヒロインのあの憎たらしい笑みはずっと忘れることは無いだろう。




 死後、気づいた時には幼少期に戻っており、夢や走馬灯かと思ったが覚めることはなく、いわゆるタイムリープをしたのだろう。


 そこで2度目の人生、私は同じ過ちを繰り返さぬよう王族という地位を捨て、数多くの魔法について学んだ。王族だった今までの生活とは少し変わり、不便なこともあったが、その分やりがいもあった。

 元々魔力量は多かったらしく、魔法が上達するまでに多くの時間は必要なかった。魔法学園にも主席で合格し、充実した生活を送っていた。王族という地位は捨ててきたものの、またもや隣国の王子は良きライバルで、2人で魔法学に励んだ。



 しかし、それをよく思わなかったヒロインが2度目の人生にも再度登場。国中にありもしない噂が多く流されたが、その噂を信じる者も少なくはなかった。それもそのはずだろう。元々王族という地位を捨てて国を出たんだ。




 そして____気づいた時には死んでいた。
 油断した隙に、隣国の王子ーーに変装した者に攻撃魔法で殺された。