「央はやめて、俺と付き合ってみる?」
────どうしてこの人は、突然そんなことを言うのだろう・・?
知り合ったばかりの、特別好きでもない、しかも自分の兄に会いに来ていた女に。
「あの。どういう心理でそういうことを仰ってるのか、教えてもらってもいいですか?」
『題材』としての彼への興味が、驚きとか戸惑いとかそういうものを超えてしまった。あまりにも有り得ない展開過ぎて、逆に冷静になったとも言える。
「お兄さんと何か確執があるとか? 恋愛とかより競争意識が強いとか、そういう事ですか? ちょっと今どういう感情なのか、気になるのでありのままお話し頂けないでしょうか??」
まるで彼にマイクを向ける様にずいっと彼の方へ迫ると、彼はちょっと驚いたみたいな顔をした。
「合格」
「・・え?」
言われたことの意味がちょっとよく分からなくて首を傾げると、彼はいつもの無愛想で頭を書いた。
「いやさ。今まで央のとこに寄ってきた女って、こういうこと言うとあっさり乗り換える奴多くてさ。だからちょっと試しただけ」
え────。もしやこの人・・
「大事な家族には絶対近づいて欲しくないじゃん。そんな女」
ブラコンだ!! 萌える!!
しかもだ。兄と急接近する女に嫉妬して妨害行為を行う美人の弟・・このシュチュエーションはもうこのまま、設定を義兄弟にするだけで『義兄弟BL』として形になるのでは・・!?
(良いものを見せて頂きありがとうございますナッキー様・・! BL未経験ですが、今なら書けそうな気がしてきました・・!)
「? なんで手合わせてんの?」
はっ。あまりの尊さについ拝んでしまった!
でもそれって、女性側からすると結構酷な話では? ご自身の顔面破壊力をご理解でないのではないでしょうか。何もしなければ普通に上手くいっていた様な気も・・
「で、でもですね・・そのお顔で突然迫られたら、そんなつもりじゃなくてもうっかり好きになってしまったり、するものなのではないでしょうか?」
「でもひまりサンは違ったし」
彼はいつもの無愛想に珍しく笑顔を見せて言った。
「だから合格」
夏樹君に笑いかけられてしまった・・どうしよう、お金を払いたくなってきてしまいました・・。
だけどその時。
突然校舎の陰から飛び出してきた人影。走ってきたのか、肩で息をしたその人は、こちらを確認するなり怖い顔で近づいてきた。
その人────汐見君は、突然夏樹君が持っていたゴミ袋を奪った。
「俺が行くから」
そして彼は夏樹君を置き去りに、私の腕を引いた。あまりに突然のことで、何が起きているのか分からなくて・・しばらくしてから心臓の音が、どきどきと音を高鳴らせ始める。
「し・・汐見君・・?」
どうしてここに? それに突然怒った顔で、何があったというのだろう。恐る恐る声をかけると、彼は突然足を止めて私の方を振り返った。
相変わらず怒ったような表情で・・
「陽葵って・・夏樹のこと好きなの?」
え────・・
「違います!!」
自分でも驚くくらい、反射的に否定の声が出た。
どうしてだろう。さっき「央のことが好きなのか」と聞かれたときには、何も答えられなかったのに・・
「じゃあ・・俺のことは?」
彼の・・真剣な瞳が突き刺さった。
「付き合おうって言ったの・・あれってまだ有効?」
クラスの中心の一軍男子なのに
自分はオタクの陰キャなのに
格差がすごいのに
価値観正反対なのに
あんなに嫌いだったのに
相変わらず胸の中には雑音が響いていて、だけどそんな瞳で見られたら、どうしてもそう答えるしかなかった。
「・・はい」
汐見君の手がこちらへと伸びてきて、私の肩を掴んだ。
そして彼は脱力したように私の肩に頭を預けて、項垂れた────・・
「・・・・っ良かったぁー・・」
『キュンとする』というのはこういう事を言うのだろうか。胸が切なく締め付けられるような感覚。
どうしよう。男の子のことをこんな風に思う日が来るなんて。
汐見君が・・すごい可愛い。
────どうしてこの人は、突然そんなことを言うのだろう・・?
知り合ったばかりの、特別好きでもない、しかも自分の兄に会いに来ていた女に。
「あの。どういう心理でそういうことを仰ってるのか、教えてもらってもいいですか?」
『題材』としての彼への興味が、驚きとか戸惑いとかそういうものを超えてしまった。あまりにも有り得ない展開過ぎて、逆に冷静になったとも言える。
「お兄さんと何か確執があるとか? 恋愛とかより競争意識が強いとか、そういう事ですか? ちょっと今どういう感情なのか、気になるのでありのままお話し頂けないでしょうか??」
まるで彼にマイクを向ける様にずいっと彼の方へ迫ると、彼はちょっと驚いたみたいな顔をした。
「合格」
「・・え?」
言われたことの意味がちょっとよく分からなくて首を傾げると、彼はいつもの無愛想で頭を書いた。
「いやさ。今まで央のとこに寄ってきた女って、こういうこと言うとあっさり乗り換える奴多くてさ。だからちょっと試しただけ」
え────。もしやこの人・・
「大事な家族には絶対近づいて欲しくないじゃん。そんな女」
ブラコンだ!! 萌える!!
しかもだ。兄と急接近する女に嫉妬して妨害行為を行う美人の弟・・このシュチュエーションはもうこのまま、設定を義兄弟にするだけで『義兄弟BL』として形になるのでは・・!?
(良いものを見せて頂きありがとうございますナッキー様・・! BL未経験ですが、今なら書けそうな気がしてきました・・!)
「? なんで手合わせてんの?」
はっ。あまりの尊さについ拝んでしまった!
でもそれって、女性側からすると結構酷な話では? ご自身の顔面破壊力をご理解でないのではないでしょうか。何もしなければ普通に上手くいっていた様な気も・・
「で、でもですね・・そのお顔で突然迫られたら、そんなつもりじゃなくてもうっかり好きになってしまったり、するものなのではないでしょうか?」
「でもひまりサンは違ったし」
彼はいつもの無愛想に珍しく笑顔を見せて言った。
「だから合格」
夏樹君に笑いかけられてしまった・・どうしよう、お金を払いたくなってきてしまいました・・。
だけどその時。
突然校舎の陰から飛び出してきた人影。走ってきたのか、肩で息をしたその人は、こちらを確認するなり怖い顔で近づいてきた。
その人────汐見君は、突然夏樹君が持っていたゴミ袋を奪った。
「俺が行くから」
そして彼は夏樹君を置き去りに、私の腕を引いた。あまりに突然のことで、何が起きているのか分からなくて・・しばらくしてから心臓の音が、どきどきと音を高鳴らせ始める。
「し・・汐見君・・?」
どうしてここに? それに突然怒った顔で、何があったというのだろう。恐る恐る声をかけると、彼は突然足を止めて私の方を振り返った。
相変わらず怒ったような表情で・・
「陽葵って・・夏樹のこと好きなの?」
え────・・
「違います!!」
自分でも驚くくらい、反射的に否定の声が出た。
どうしてだろう。さっき「央のことが好きなのか」と聞かれたときには、何も答えられなかったのに・・
「じゃあ・・俺のことは?」
彼の・・真剣な瞳が突き刺さった。
「付き合おうって言ったの・・あれってまだ有効?」
クラスの中心の一軍男子なのに
自分はオタクの陰キャなのに
格差がすごいのに
価値観正反対なのに
あんなに嫌いだったのに
相変わらず胸の中には雑音が響いていて、だけどそんな瞳で見られたら、どうしてもそう答えるしかなかった。
「・・はい」
汐見君の手がこちらへと伸びてきて、私の肩を掴んだ。
そして彼は脱力したように私の肩に頭を預けて、項垂れた────・・
「・・・・っ良かったぁー・・」
『キュンとする』というのはこういう事を言うのだろうか。胸が切なく締め付けられるような感覚。
どうしよう。男の子のことをこんな風に思う日が来るなんて。
汐見君が・・すごい可愛い。