怒涛の1日が終わった。

本当はすぐにでもイチの元へ駆け出したい気持ちをグッと抑えて、コンサート終了後、打ち上げにそのまま参加して。本当は行かなくてもよかったけれど、あまりにしつこく誘われたから仕方がなかった。それに、今後もピアノを使うのなら混ぜてもらいたいし。周りが大人ばかりで焦ったけど。

ひとまずのことすぐにイチに『夜会える?』メッセを入れたけど相変わらず返事はなくて。20時過ぎに慌てて寮に帰ったけれど、『イチ実家帰ってるよー、明日の始業式も実家から来んじゃない?』とウミネコに声をかけられた。なんだよそれ。じゃあメッセのひとことくらい返してよ。ていうかウミネコとは連絡取ってるわけ? 

今日のあの涙はなんだったの。なんでおれに一切連絡くれないの。イチってそういうとこ本当によくわかんない。俺は今すぐにでも抱きしめたいくらいなのに。好きだと自覚したなら話は早いでしょ。俺そういうのは多分抑えられないタイプなんだよね。気づくまでが長いだけで。


「あーほんっと……明日おぼえててよー」


ボフっと自分のベットに項垂れて、そのまま瞳を閉じる。

今日は珍しく、ひとりでもよく眠れそうだ。