今日はアヤトさんがどんなことをしてくれるのか、少し期待していた。少しずつ自分が変わっていく姿が嬉しい。もちろん、姿勢の意識や筋トレもしたし、早寝早起きも心がけている。

でもよく考えると、フォトコンテストだからアヤトさんの言う通り、メイクやスタイリングでなんとかなるんじゃないかと思った。それをぼやくと、アヤトさんが真剣な顔で言った。

「それは確かかもしれないけど、一枚の写真が決め手でも、中身は誤魔化せることじゃないよ。大賞を取ったとしても、その後の自分が大切だから。今、カッコよくなっていく様子を続けることが大事だと思うよ。」

「はあ、そうですけど……続ける、かぁ。」

エイジは金持ちだし、元々イケメンだから、すごいコスプレをするに決まってる。僕には叶いっこない。アヤトさんは続けた。

「見た目はいくらでも飾れる。それもいいことだと思うけど、着飾っているだけじゃその鎧はいつか剥がれ落ちてみっともないだなんて言われるよ。」

僕はこのままいじめられ続けるのは嫌だ。絶対にエイジたちを見返して、もうそこからいじめられないように、中から強くならなきゃ!

お母さんも薄々気づいているみたいだけど、僕は大丈夫だよ、と言って誤魔化した。でも、大賞や入賞すれば少なからずお金も入るから、家族のためにも頑張らなくては!

しかし、困ったことにハロウィンメイクや撮影はどうしよう……。アヤトさんと別れた後、学校の中庭で立っていた。

その時、パシャッ。

ん?

シャッター音の方を見ると、男女数人がこちらを見ていた。
「あ、あ……すいません。怪しいものではありません!!」
いや、怪しいけど。

「私たち、写真部の者です!!」

興味を持たれてしまったようだ。どうしよう……。