帰宅すると、私はすぐに部屋着に着替え、明日の準備をする。今日は特に課題を出されている教科もない。明日の準備を終えると、先にシャワーを浴びることにした。
シャワーを浴びてスッキリすると、心身ともにちょっとだけ落ち着いた。
髪の毛をタオルドライでざっと拭き、ダイニングへ顔を出すと、ちょうど夕飯の支度中だった。
私は冷蔵庫の中から、先ほど母が購入した経口補水液を取り出し、ペットボトルの蓋を捻った。
「あ、香織。食欲はどう? たくさん食べられそう?」
キッチンから母の声が聞こえる。今日は煮物がメインのおかずみたいだ。私は経口補水液を口に含む。嚥下すると、それが身体中に染み渡る感じがした。
「いや、今日はちょっとでいいよ」
私の返事に、母は不服そうだ。
「今日は煮物だからでしょう」
「あ、バレた。……って言うか、やっぱりちょっとまだしんどくて」
私がそう言うと、母は私の顔をじっと見る。
「顔色はそこまで悪くはないわね……。無理はしなくていいけど、しっかり食べなさいよ?」
「うん……。髪の毛、乾かしてくるね」
私は水分補給を済ませると、再び洗面所へと向かい、ドライヤーを使って髪の毛を乾かした。
鏡に映った私の顔は、母が言うようにあまり顔色が良くない。入浴して血行は良くなっているはずなのに、これじゃ体調悪いのがバレバレだ。
首に掛けていたフェイスタオルを洗濯機の中に入れ、再びダイニングへ戻ると、テーブルの上に、夕飯が並べられている。私は「いただきます」と口にして、左手にお茶碗、右手に箸を持つ。
目の前に並べられた、小鉢に盛られた煮物へと箸をつける。味がよく染み込んでいて美味しかったけれど、やっぱりそんなに食欲が湧かない。
お茶碗に盛られた白米は、いつもより少量だったので何とか食べ切ることができたけれど、それでもちょっとしんどかった。
食事を済ませると、再び洗面所へと向かい、歯磨きを済ませた。
明日の準備も済ませているので、私はスマホを手に取りベッドの上に横たわる。
あの時、何でフラッシュバックが起こったんだろう……
初めて過呼吸の発作が起こったのは、あの事故の後だ。
入院中のベッドの上で、パニックを起こした私は過呼吸の発作を起こした。あの時は入院中で医療従事者に囲まれた環境だったので、すぐに鎮静剤を処方され、ことなきを得た。以降、過呼吸を起こした時の処置の仕方を教わった。呼吸を吸い過ぎることが原因なので、呼吸を吸い込み過ぎないよう、日頃からタオルやビニール袋を携帯していたことが功を奏したようだ。
私は鞄の内ポケットやリュックのポケットに、予備のビニール袋とタオルハンカチを忍ばせると、スマホのロックを解除する。
部屋を出ている間にだれかからメッセージを受信していたようで、アプリの場面を開いた。するとそこには、先輩からメッセージが届いていた。
突然過呼吸の発作を起こしたから、心配を掛けてしまっただろうな……
私は、先輩からのメッセージを開く。
シャワーを浴びてスッキリすると、心身ともにちょっとだけ落ち着いた。
髪の毛をタオルドライでざっと拭き、ダイニングへ顔を出すと、ちょうど夕飯の支度中だった。
私は冷蔵庫の中から、先ほど母が購入した経口補水液を取り出し、ペットボトルの蓋を捻った。
「あ、香織。食欲はどう? たくさん食べられそう?」
キッチンから母の声が聞こえる。今日は煮物がメインのおかずみたいだ。私は経口補水液を口に含む。嚥下すると、それが身体中に染み渡る感じがした。
「いや、今日はちょっとでいいよ」
私の返事に、母は不服そうだ。
「今日は煮物だからでしょう」
「あ、バレた。……って言うか、やっぱりちょっとまだしんどくて」
私がそう言うと、母は私の顔をじっと見る。
「顔色はそこまで悪くはないわね……。無理はしなくていいけど、しっかり食べなさいよ?」
「うん……。髪の毛、乾かしてくるね」
私は水分補給を済ませると、再び洗面所へと向かい、ドライヤーを使って髪の毛を乾かした。
鏡に映った私の顔は、母が言うようにあまり顔色が良くない。入浴して血行は良くなっているはずなのに、これじゃ体調悪いのがバレバレだ。
首に掛けていたフェイスタオルを洗濯機の中に入れ、再びダイニングへ戻ると、テーブルの上に、夕飯が並べられている。私は「いただきます」と口にして、左手にお茶碗、右手に箸を持つ。
目の前に並べられた、小鉢に盛られた煮物へと箸をつける。味がよく染み込んでいて美味しかったけれど、やっぱりそんなに食欲が湧かない。
お茶碗に盛られた白米は、いつもより少量だったので何とか食べ切ることができたけれど、それでもちょっとしんどかった。
食事を済ませると、再び洗面所へと向かい、歯磨きを済ませた。
明日の準備も済ませているので、私はスマホを手に取りベッドの上に横たわる。
あの時、何でフラッシュバックが起こったんだろう……
初めて過呼吸の発作が起こったのは、あの事故の後だ。
入院中のベッドの上で、パニックを起こした私は過呼吸の発作を起こした。あの時は入院中で医療従事者に囲まれた環境だったので、すぐに鎮静剤を処方され、ことなきを得た。以降、過呼吸を起こした時の処置の仕方を教わった。呼吸を吸い過ぎることが原因なので、呼吸を吸い込み過ぎないよう、日頃からタオルやビニール袋を携帯していたことが功を奏したようだ。
私は鞄の内ポケットやリュックのポケットに、予備のビニール袋とタオルハンカチを忍ばせると、スマホのロックを解除する。
部屋を出ている間にだれかからメッセージを受信していたようで、アプリの場面を開いた。するとそこには、先輩からメッセージが届いていた。
突然過呼吸の発作を起こしたから、心配を掛けてしまっただろうな……
私は、先輩からのメッセージを開く。