「了解、じゃあ、今度泰兄にカメラ貸してもらえるように都合聞いてみるよ」
「はい、楽しみです」
「さすがに学校には持って来られないから、休日デートする時になるかな」
先輩の言葉に、私はびっくりして変な声が出た。
「ふえ……?」
デート……? 先輩、今デートって言った?
驚きのあまり、私は何度も目を瞬かせると、先輩は優しく微笑んだ。
「香織ちゃんは僕の彼女なんだから、デートするでしょう?」
先輩の言葉に、我に返ると身体が固まったまま小刻みに頷いた。
「よし、じゃあ連絡先、交換しよう? 昨日うっかり忘れてたからね。今、スマホ持ってる?」
先輩がそう言って、ジャケットの内ポケットからスマホを取り出すた。私も慌ててポケットの中からスマホを取り出すと、連絡先を交換する。
電話番号とSNSのアカウントを交換し、私のスマホの画面には、先輩のSNS画面が表示されている。
「アイコン、素敵ですね」
先輩のアイコンは、水鏡に写る風景だ。場所はおそらく、校内のどこかだろう。
「こういうの、撮りたくない?」
先輩の問いに、私は食い気味に返事をする。
「撮りたいです!」
「よしよし。じゃあ、僕の知ってる知識を全部、香織ちゃんに教えてあげる。そろそろカメラの使い方を説明しようか」
先輩はスマホをポケットの中にしまうと、一眼レフの説明を始めた。私も慌ててスマホをポケットの中にしまうと、先輩の説明を聞くため身を乗り出した。
「まず、カメラの寿命についてなんだけど、一般的に五年から六年、シャッター回数は十万回と言われている。このカメラは、購入からちょうど五年経つらしい」
それで、先輩が使うこのカメラの買い換えの話が出ていたんだと、話を聞きながら頷いた。
「カメラにも、一眼レフとミラーレスカメラの二種類があって、それぞれメリット、デメリットがあるんだ。これは一眼レフなんだけど、香織ちゃん、持ってみて」
先輩の言葉に従い、私はカメラを手に取った。一眼レフカメラは、ずっしりと重い。
「結構な重さがあるだろう?」
先輩の声に、素直に頷いた。
「一眼レフは、アナログ時代からの歴史もあるカメラでね、レンズの種類も豊富なんだ。電源を入れなくても構図の確認ができるし、レンズから入った光がそのままファインダーに届くから、タイムラグのない撮影が可能なんだ」
先輩の説明に、カメラってすごいなと改めて思った。
「ミラーレスのカメラは、一眼レフみたいに、カメラの中にミラーやプリズムが内蔵されていないから軽くて小型なんだ。高倍率ズームができたり、機能性も高いんだけど、電力消費が早くてね」
初めて聞くカメラの種類に、私の頭の中はクエスチョンマークが浮いている。
「ミラーレスカメラのほうが価格も手頃で初心者向けらしいんだけど……。一眼レフって高額だから、せっかくなら本物に触れてカメラの魅力を知ってもらいたいって泰兄の考えで、うちの部にあるカメラは全部一眼レフなんだ」
「そうなんですね……、ごめんなさい、全然話がピンとこなくて」
私の的外れな言葉に、先輩は呆れることなく答えてくれる。
「いや、カメラ初心者ならそんなもんだって。実際に使ってみないとわからないだろう? いろいろ話が飛んでしまってごめん。今度こそ使い方の説明をするよ」
先輩はそう言うと、レンズの装着方法から始まり、メモリーカードを入れる場所、電源やシャッターの押し方などの基本操作を優しく教えてくれた。
先輩の説明の中には、専門用語がいくつか出てきて都度説明をしてくれるけれど、今の私には難しくてなかなか頭の中に入ってこない。
それでもレンズの説明は、画角の広い写真を写すことができる広角レンズや標準的な撮影時に使う標準レンズ、遠くのものを大きく写す望遠レンズなど、聞いたことのある名前が出てきて親しみを感じた。
「カメラって、結構専門用語があるから、そういったことも覚える必要があるんだけど……。初心者にもわかりやすい、カメラの入門書が部室に置いてあるんだ。それ、持って帰って読んでみる?」
思いがけない先輩からの言葉に、私は首を大きく縦に振る。
「はい! 基本を知らないと、せっかく先輩がいろいろ教えてくださっても理解できないことばかりです。早速今日にでも借りて帰ります」
「でも、本は人数分もないから争奪戦になるかもしれないよ」
「ええっ、そんなぁ」
そんなやり取りも、楽しくて仕方ない。
「でも、読み返したりしたいし、借りたら返さなきゃだし、やっぱり一冊本を買おうかな……」
私がポツリと呟くと、先輩も頷いてくれた。
「じゃあ、部室に置いてある本と、僕が泰兄に薦めてもらった初心者向けの本を後で教えてあげるよ」
「わあ、ありがとうございます!」
「一眼レフでの技術は、スマホでの写真撮影役にも役立つからね」
先輩はとても頼りがいがあり、加えてとても優しいので、こんな素敵な人が自分の彼氏なんだと思ったら胸が熱くなる。
「はい、楽しみです」
「さすがに学校には持って来られないから、休日デートする時になるかな」
先輩の言葉に、私はびっくりして変な声が出た。
「ふえ……?」
デート……? 先輩、今デートって言った?
驚きのあまり、私は何度も目を瞬かせると、先輩は優しく微笑んだ。
「香織ちゃんは僕の彼女なんだから、デートするでしょう?」
先輩の言葉に、我に返ると身体が固まったまま小刻みに頷いた。
「よし、じゃあ連絡先、交換しよう? 昨日うっかり忘れてたからね。今、スマホ持ってる?」
先輩がそう言って、ジャケットの内ポケットからスマホを取り出すた。私も慌ててポケットの中からスマホを取り出すと、連絡先を交換する。
電話番号とSNSのアカウントを交換し、私のスマホの画面には、先輩のSNS画面が表示されている。
「アイコン、素敵ですね」
先輩のアイコンは、水鏡に写る風景だ。場所はおそらく、校内のどこかだろう。
「こういうの、撮りたくない?」
先輩の問いに、私は食い気味に返事をする。
「撮りたいです!」
「よしよし。じゃあ、僕の知ってる知識を全部、香織ちゃんに教えてあげる。そろそろカメラの使い方を説明しようか」
先輩はスマホをポケットの中にしまうと、一眼レフの説明を始めた。私も慌ててスマホをポケットの中にしまうと、先輩の説明を聞くため身を乗り出した。
「まず、カメラの寿命についてなんだけど、一般的に五年から六年、シャッター回数は十万回と言われている。このカメラは、購入からちょうど五年経つらしい」
それで、先輩が使うこのカメラの買い換えの話が出ていたんだと、話を聞きながら頷いた。
「カメラにも、一眼レフとミラーレスカメラの二種類があって、それぞれメリット、デメリットがあるんだ。これは一眼レフなんだけど、香織ちゃん、持ってみて」
先輩の言葉に従い、私はカメラを手に取った。一眼レフカメラは、ずっしりと重い。
「結構な重さがあるだろう?」
先輩の声に、素直に頷いた。
「一眼レフは、アナログ時代からの歴史もあるカメラでね、レンズの種類も豊富なんだ。電源を入れなくても構図の確認ができるし、レンズから入った光がそのままファインダーに届くから、タイムラグのない撮影が可能なんだ」
先輩の説明に、カメラってすごいなと改めて思った。
「ミラーレスのカメラは、一眼レフみたいに、カメラの中にミラーやプリズムが内蔵されていないから軽くて小型なんだ。高倍率ズームができたり、機能性も高いんだけど、電力消費が早くてね」
初めて聞くカメラの種類に、私の頭の中はクエスチョンマークが浮いている。
「ミラーレスカメラのほうが価格も手頃で初心者向けらしいんだけど……。一眼レフって高額だから、せっかくなら本物に触れてカメラの魅力を知ってもらいたいって泰兄の考えで、うちの部にあるカメラは全部一眼レフなんだ」
「そうなんですね……、ごめんなさい、全然話がピンとこなくて」
私の的外れな言葉に、先輩は呆れることなく答えてくれる。
「いや、カメラ初心者ならそんなもんだって。実際に使ってみないとわからないだろう? いろいろ話が飛んでしまってごめん。今度こそ使い方の説明をするよ」
先輩はそう言うと、レンズの装着方法から始まり、メモリーカードを入れる場所、電源やシャッターの押し方などの基本操作を優しく教えてくれた。
先輩の説明の中には、専門用語がいくつか出てきて都度説明をしてくれるけれど、今の私には難しくてなかなか頭の中に入ってこない。
それでもレンズの説明は、画角の広い写真を写すことができる広角レンズや標準的な撮影時に使う標準レンズ、遠くのものを大きく写す望遠レンズなど、聞いたことのある名前が出てきて親しみを感じた。
「カメラって、結構専門用語があるから、そういったことも覚える必要があるんだけど……。初心者にもわかりやすい、カメラの入門書が部室に置いてあるんだ。それ、持って帰って読んでみる?」
思いがけない先輩からの言葉に、私は首を大きく縦に振る。
「はい! 基本を知らないと、せっかく先輩がいろいろ教えてくださっても理解できないことばかりです。早速今日にでも借りて帰ります」
「でも、本は人数分もないから争奪戦になるかもしれないよ」
「ええっ、そんなぁ」
そんなやり取りも、楽しくて仕方ない。
「でも、読み返したりしたいし、借りたら返さなきゃだし、やっぱり一冊本を買おうかな……」
私がポツリと呟くと、先輩も頷いてくれた。
「じゃあ、部室に置いてある本と、僕が泰兄に薦めてもらった初心者向けの本を後で教えてあげるよ」
「わあ、ありがとうございます!」
「一眼レフでの技術は、スマホでの写真撮影役にも役立つからね」
先輩はとても頼りがいがあり、加えてとても優しいので、こんな素敵な人が自分の彼氏なんだと思ったら胸が熱くなる。