ご両親にもみこちゃんをお預かりしているお礼を言われ、私たちは部屋に入った。
ここはリビングというか居間らしい。なんか、めちゃくちゃ広いんですけど!? 外から見たのの二倍はあると思う。これはあやかしマジック的な何か……?
あわあわしながらみこちゃんの横に座らせてもらう。座布団なのにちょっとふわふわしている。絶対高いやつ。
「どうぞ」
「有難う御座います」
みこママにお茶を差し出される。長い黒髪の上品そうなママさん。どう見てもアラフォーにしか見えないけど、藤さんの親ということは実際はもっと上ということだよね。もしかしたら、藤さんだって言われていないだけで五十歳とかかもしれない。あやかしって寿命とかどうなっているんだろう。
「お兄ちゃんたちは?」
みこちゃんがママにそう尋ねると、みこママが眉を下げて言った。
「藤はお仕事なの、ごめんね。日向はいつものことだから」
「ふうん」
おお、もう一人のお兄さんは日向さんって言うんだ。いつものことっていうことは会えないのが通常ってことかな? いつも外に出ているとか、忙しいとか?
向かいにはおじいさま、みこパパ、ママが座り、みこちゃんの隣に色葉さんが座って家族団欒の場になった。ここに私がいるのちょっと気まずいけど、話を振ってくださるご両親良い人過ぎる! ここにいる人全員ウサギさんなんだよね? 私以外全員もふもふを想像したらそれだけで癒されちゃった。
そのままお昼ご飯を食べ、午後は山の散策をすることにした。聞くところにこの山は五十嵐家の持ちもので、一般の人が入ってくることはないらしい。たまに知らない人が入ってきちゃってもすぐに追い出すとか。
家を出たところでみこちゃんがうさみこちゃんに変身する。はぁぁぁううん可愛い~~~! 山をぴょんぴょん駆け回るみこちゃん愛おし過ぎる。もう私のスマートフォンは容量いっぱいよ! でも容量アップ課金したから大丈夫!
うさみこちゃんに案内される形で秋の五十嵐山を堪能する。あちこち葉が色づいて、イチョウの絨毯も素敵。こんな自然を一身に受けて育ったんだ。みこちゃんの過去を知られて嬉しい。
「わっリス」
木の実を持ったリスを見かけて思わず観察する。
「これは……リス、かな。リスのあやかしとか……?」
みこちゃんたちもウサギに変身すると通常のウサギと見分けがつかないから、これももしや……?
『リスだよ。他の動物のあやかしも存在するみたいだけど、ここにはウサギのあやかししかいない』
「へぇ~」
考えてみると、私ってあやかしについて全然知らないかも。ウサギのあやかしがいるっていうことと、人間に変身出来るってことくらい。みこちゃんと暮らしているんだから、もうちょっと勉強したいな。
十分程歩いてもう少しで頂上というところで、見晴らしの良い広場に出た。思わず柵の手前まで走り寄る。
「うわ、すごい! 良い場所だね!」
うさみこちゃんに振り向くと、ぴょんと跳ばれて私の腕の中に潜り込んできた。あわわ、はわわ……幸せの極み!
「みこちゃん、素敵なお家に招待してくれてありがとう。これからもよろしくね」
『うん』
みこちゃんのご家族に挨拶しに来たのに、私の方が元気をもらっちゃった。来週からも仕事頑張ろう。
うさみこちゃんを抱っこさせてもらいながら元来た道を戻る。個人の山だけあって人と全くすれ違わない。ウサギとはすれ違ったけど、ここにいるウサギはみんなあやかしだって言ってたから、あのウサギも親戚の誰かなのだろう。不思議な感じ。
また家に戻ってからしばらくはみこちゃんと離れて、用意してもらった部屋でゆっくりすることにした。
せっかく久々の帰省なんだから、私がいない時間も必要だよね。私は私で大自然を眺めながら心を洗おう。こんな自然を間近に感じられるのはなかなか無いもの。
ここはリビングというか居間らしい。なんか、めちゃくちゃ広いんですけど!? 外から見たのの二倍はあると思う。これはあやかしマジック的な何か……?
あわあわしながらみこちゃんの横に座らせてもらう。座布団なのにちょっとふわふわしている。絶対高いやつ。
「どうぞ」
「有難う御座います」
みこママにお茶を差し出される。長い黒髪の上品そうなママさん。どう見てもアラフォーにしか見えないけど、藤さんの親ということは実際はもっと上ということだよね。もしかしたら、藤さんだって言われていないだけで五十歳とかかもしれない。あやかしって寿命とかどうなっているんだろう。
「お兄ちゃんたちは?」
みこちゃんがママにそう尋ねると、みこママが眉を下げて言った。
「藤はお仕事なの、ごめんね。日向はいつものことだから」
「ふうん」
おお、もう一人のお兄さんは日向さんって言うんだ。いつものことっていうことは会えないのが通常ってことかな? いつも外に出ているとか、忙しいとか?
向かいにはおじいさま、みこパパ、ママが座り、みこちゃんの隣に色葉さんが座って家族団欒の場になった。ここに私がいるのちょっと気まずいけど、話を振ってくださるご両親良い人過ぎる! ここにいる人全員ウサギさんなんだよね? 私以外全員もふもふを想像したらそれだけで癒されちゃった。
そのままお昼ご飯を食べ、午後は山の散策をすることにした。聞くところにこの山は五十嵐家の持ちもので、一般の人が入ってくることはないらしい。たまに知らない人が入ってきちゃってもすぐに追い出すとか。
家を出たところでみこちゃんがうさみこちゃんに変身する。はぁぁぁううん可愛い~~~! 山をぴょんぴょん駆け回るみこちゃん愛おし過ぎる。もう私のスマートフォンは容量いっぱいよ! でも容量アップ課金したから大丈夫!
うさみこちゃんに案内される形で秋の五十嵐山を堪能する。あちこち葉が色づいて、イチョウの絨毯も素敵。こんな自然を一身に受けて育ったんだ。みこちゃんの過去を知られて嬉しい。
「わっリス」
木の実を持ったリスを見かけて思わず観察する。
「これは……リス、かな。リスのあやかしとか……?」
みこちゃんたちもウサギに変身すると通常のウサギと見分けがつかないから、これももしや……?
『リスだよ。他の動物のあやかしも存在するみたいだけど、ここにはウサギのあやかししかいない』
「へぇ~」
考えてみると、私ってあやかしについて全然知らないかも。ウサギのあやかしがいるっていうことと、人間に変身出来るってことくらい。みこちゃんと暮らしているんだから、もうちょっと勉強したいな。
十分程歩いてもう少しで頂上というところで、見晴らしの良い広場に出た。思わず柵の手前まで走り寄る。
「うわ、すごい! 良い場所だね!」
うさみこちゃんに振り向くと、ぴょんと跳ばれて私の腕の中に潜り込んできた。あわわ、はわわ……幸せの極み!
「みこちゃん、素敵なお家に招待してくれてありがとう。これからもよろしくね」
『うん』
みこちゃんのご家族に挨拶しに来たのに、私の方が元気をもらっちゃった。来週からも仕事頑張ろう。
うさみこちゃんを抱っこさせてもらいながら元来た道を戻る。個人の山だけあって人と全くすれ違わない。ウサギとはすれ違ったけど、ここにいるウサギはみんなあやかしだって言ってたから、あのウサギも親戚の誰かなのだろう。不思議な感じ。
また家に戻ってからしばらくはみこちゃんと離れて、用意してもらった部屋でゆっくりすることにした。
せっかく久々の帰省なんだから、私がいない時間も必要だよね。私は私で大自然を眺めながら心を洗おう。こんな自然を間近に感じられるのはなかなか無いもの。