💭 🔁 ❤×?000
結局、ホームルームと1時間目(古井戸先生の、古典の授業だった)を使って、各自がクラスメイトをいいねする為のリストが作られた。
どうしても身バレしたくないという【Vヲタ】馬肉さんと【801】八坂さん以外はリストに組み込まれた。
馬肉さんの正体には、何となく予想が付いている。
あと八坂さんの方は、『サブカル女子組』の会話を聞いたり、八坂さんが描いているイラストを目にしてきた中で検討が付いている。
【神絵師】上江さん、八坂さん、【四コマ漫画】四谷さん、馬肉さんの4人はみんなして絵が上手いんだけど、八坂さんはある種の特殊な、薔薇と薔薇が花粉を擦り付け合うというか、801な穴にソーセージを挿入するというか……つまりBL同人作家らしいんだよね。
……そりゃ、身バレはしたくないだろうなぁ。
――僕? 僕は真っ当な――といったらBLに失礼かもしれないけど――ホラー作家だから、身バレを恐がったりはしない。
クラスの過半数がTwittooをやっていて、驚くべき事に、その半数が本名だった。
世界中に自分のプライベートを振るオープンにするなんて、コイツらは恐くないんだろうか?
僕は小説の宣伝と創作関連の事、あとは好きなホラー映画・漫画・小説、怪談や都市伝説については饒舌に呟くけれど、身バレに繋がるような事は呟かないように気を付けている。
まぁ身バレしたところで、僕みたいな平々凡々なアマ作家がスティーブンキングの『ミザリー』みたいに監禁・執筆の強要をされるような事は、心配するだけ無駄だろうけど。
そして――予想は出来ていた事だけれど――その『リスト』から、星狩さんはハブられた。
本当、酷過ぎる。人の命が懸かってるかもしれないっていうのに、信じられない!
僕が抗議すると、【下種野郎】種田が胸倉を掴んできた。何だってコイツはいつもいつも、こんなにも攻撃的なんだ?
すると【陽キャリーダー】蹴鞠くんが仲裁に入って、僕は先生によって生徒指導室へ連れて行かれた。
――信じがたい事に、先生から『ああいう事は言っちゃいかんよチミ!』と説教された。
説教されるべきはクラスの連中の方だろうに。
あいつらに脅されでもしているのか? 実際、種田に胸倉を掴まれてた時は、まったく抵抗出来ずにいたし。
……そうして、今。
1限目も終盤に差し掛かりつつある教室の一番後ろで、僕は星狩さんと一緒に、熱狂するクラスの連中を冷ややかに見詰めている。
こいつらは、やっぱり最低のクズどもだ。せいぜい怖い思いをして死ぬといい。
僕自身の身は安泰だ。1時間が経過して1つ分のいいねが消費されたのかもしれないけど、それを上回る量のいいねがホラー小説最新話の告知ツイートで得られているから。
心配なのは、星狩さんだ。
「……大丈夫?」
恐る恐る、隣に星狩さんに尋ねてみると、大分落ち着きを取り戻した様子の星狩さんが、スマホのメモ帳に、
『大丈夫だよ!p(*^-^*)q 前にバズった事あるし!٩(๑òωó๑)۶』
と書いて見せてくれる。可愛い。天使だ。
彼女のアカウントにはちょっと苦手意識があるから、触れずに済むのなら僕としてもありがたい。
それにしても星狩さんは、最高最強に可愛い。
顔文字と同じような笑顔を見せてくれる彼女は、とても尊い。
――星狩さんは、声が出せない。
彼女から直接聞いたわけではないのだけれど、理由はきっとストレスだろう――心因性失声症。
毎日毎日座席に花瓶を置かれ、クラス全員から無視される……そんな状況じゃ、心を病まない方がおかしいと思う。
せめて僕だけは、彼女の味方でありたい。
……し、下心なんて無いんだからね!?
結局、ホームルームと1時間目(古井戸先生の、古典の授業だった)を使って、各自がクラスメイトをいいねする為のリストが作られた。
どうしても身バレしたくないという【Vヲタ】馬肉さんと【801】八坂さん以外はリストに組み込まれた。
馬肉さんの正体には、何となく予想が付いている。
あと八坂さんの方は、『サブカル女子組』の会話を聞いたり、八坂さんが描いているイラストを目にしてきた中で検討が付いている。
【神絵師】上江さん、八坂さん、【四コマ漫画】四谷さん、馬肉さんの4人はみんなして絵が上手いんだけど、八坂さんはある種の特殊な、薔薇と薔薇が花粉を擦り付け合うというか、801な穴にソーセージを挿入するというか……つまりBL同人作家らしいんだよね。
……そりゃ、身バレはしたくないだろうなぁ。
――僕? 僕は真っ当な――といったらBLに失礼かもしれないけど――ホラー作家だから、身バレを恐がったりはしない。
クラスの過半数がTwittooをやっていて、驚くべき事に、その半数が本名だった。
世界中に自分のプライベートを振るオープンにするなんて、コイツらは恐くないんだろうか?
僕は小説の宣伝と創作関連の事、あとは好きなホラー映画・漫画・小説、怪談や都市伝説については饒舌に呟くけれど、身バレに繋がるような事は呟かないように気を付けている。
まぁ身バレしたところで、僕みたいな平々凡々なアマ作家がスティーブンキングの『ミザリー』みたいに監禁・執筆の強要をされるような事は、心配するだけ無駄だろうけど。
そして――予想は出来ていた事だけれど――その『リスト』から、星狩さんはハブられた。
本当、酷過ぎる。人の命が懸かってるかもしれないっていうのに、信じられない!
僕が抗議すると、【下種野郎】種田が胸倉を掴んできた。何だってコイツはいつもいつも、こんなにも攻撃的なんだ?
すると【陽キャリーダー】蹴鞠くんが仲裁に入って、僕は先生によって生徒指導室へ連れて行かれた。
――信じがたい事に、先生から『ああいう事は言っちゃいかんよチミ!』と説教された。
説教されるべきはクラスの連中の方だろうに。
あいつらに脅されでもしているのか? 実際、種田に胸倉を掴まれてた時は、まったく抵抗出来ずにいたし。
……そうして、今。
1限目も終盤に差し掛かりつつある教室の一番後ろで、僕は星狩さんと一緒に、熱狂するクラスの連中を冷ややかに見詰めている。
こいつらは、やっぱり最低のクズどもだ。せいぜい怖い思いをして死ぬといい。
僕自身の身は安泰だ。1時間が経過して1つ分のいいねが消費されたのかもしれないけど、それを上回る量のいいねがホラー小説最新話の告知ツイートで得られているから。
心配なのは、星狩さんだ。
「……大丈夫?」
恐る恐る、隣に星狩さんに尋ねてみると、大分落ち着きを取り戻した様子の星狩さんが、スマホのメモ帳に、
『大丈夫だよ!p(*^-^*)q 前にバズった事あるし!٩(๑òωó๑)۶』
と書いて見せてくれる。可愛い。天使だ。
彼女のアカウントにはちょっと苦手意識があるから、触れずに済むのなら僕としてもありがたい。
それにしても星狩さんは、最高最強に可愛い。
顔文字と同じような笑顔を見せてくれる彼女は、とても尊い。
――星狩さんは、声が出せない。
彼女から直接聞いたわけではないのだけれど、理由はきっとストレスだろう――心因性失声症。
毎日毎日座席に花瓶を置かれ、クラス全員から無視される……そんな状況じゃ、心を病まない方がおかしいと思う。
せめて僕だけは、彼女の味方でありたい。
……し、下心なんて無いんだからね!?