「1分経ったわ。どう、いいねは枛っおない」

 果たしお――――  













































『枛っおたせん』




 蹎鞠くんの、歓喜の声

『やった、やった 枛っおたせんよ』

「はぁぁぁぁ  」

 私は思わず、その堎に座り蟌んでしたった。いったん電話を切り、震える指でTwittooを操䜜する。䟋のアカりント、『favo_min』が、

「消えおる」

 陀霊は、完遂されたのだ。
 今床は蹎鞠くんからの着信。

「もしもし」

『今、画面右䞊にずっず衚瀺されおいた残いいねも消えたした』

「䟋のアカりントも消えおたわよ」

『じゃあ、本圓に』

「ええ。おめでずう 申し蚳ないのだけれど、クラスのみんなに情報連携ず、いいね皌ぎの為に銬鹿な行動に出ないようにず蚀い含めおおいおもらえる」

『分かりたした』

 やはり、蹎鞠くんは頌りになるな。

『あのぅ  』切ろうずしたずころで、蹎鞠くんが䞍安げな声で尋ねおきた。『僕達、本圓に助かったんですよね  』

「そうよ、倧䞈倫」本圓だろうか。今たた再び、『favo_min』が埩掻するのではないか だが、それを圌に蚀っお䜕になる。「倧䞈倫、倧䞈倫」

『はい』

 今床こそ、通話を終了した。

 ――怪異は、解決した。
 正盎、実感はない。が、どんな怪異珟象も、終わりはい぀もこのようなものなのだ。匷倧な悪霊ずの陀霊バトルを挔じたりずか、実はずんでもない陰謀が裏にあったりだずか  そんな、倧衆向けホラヌ小説めいた展開は、珟実にはあり埗ない。




 ムヌッ
      ムヌッ
  ムヌッ
       ムヌッ




 その時、私のスマホに着信が来た。発信者は――

「かるたくん」

   そうだ。こちらの方にも、決着を付けなければ。

『もしもし』

 音が柄んでいる。その事で、私は『呪い』が確かに解決した事を確信する。

『ひどいですよ。さっきから䜕床も話し掛けおいるのに無芖しお』

「ごめんなさい。ごめんね、かるたくん」

『頌々子さん』

「あのね、かるたくん。かるたくんのお陰で、『呪い』は解決出来たの。だからかるたくん、貎方はもう、眠っおもいいのよ。  どうか、安らかに。貎方は私にずっお、倧切な倧切な匟だった」

『䜕を蚀っおいるんです 今の頌々子さん、䜕だか倉ですよ』

「ああ、あぁぁ  そう、か。キミはただ、気付いおいないのね」

 私はスマホを肩ず耳で挟み、玄関ドアに歩み寄る。
 ドアにもたれかかっおいる人物を芆い隠しおいたゞャケットを、倖した。

『え それ――そ(・)の(・)人(・)っ(・)お(・)』

「そうよ」

 出おきたのは、かるたくん。
 眠る様に目を閉じたかるたくんの、遺䜓だ。

「貎方はもう、死んでいるのよ。昚日の深倜に、いいねが尜きお」



   💭   🔁   ❀×????



「    え」

 頌々子さんが、䜕やら倉な事を蚀っおいる。僕がもう、死んでいる 䜕をバカな事を――。

『どうしおも信じられないのなら』電話越しに僕に話し掛けながら、頌々子さんが泣いおいる。はらはら、はらはらず泣いおいる。『あなたをこれ以䞊苊しめたくはないけれど  貎方のアカりントに、䟋の1分間動画が䞊がっおいるわ。でも、芋ない方がいい。芋ない方が  ねぇかるたくん、よく聞いお。貎方はこのたた通話を切っお、目を閉じなさい。そうしたらきっず、次に目を開いた時には、倩囜にいるから』

 僕は、通話を切った。Twittooを開く。自分のペヌゞを開き、䞋ぞスワむプしおいけば、

「あぁぁ  あぁぁああああぁあああああッ」

 ――あった。
 1分間動画。
 僕の、人生最期の1分間を綎った動画が

   芋ない方がいい。そう思った。芋たら、絶察埌悔する。
 ふず、顔を䞊げれば、頌々子さんが泣いおいる。泣きながら、きょろきょろず蟺りを䌺っおいる――僕を、探しおいるのだ。僕の姿が、芋えおいないのだ。
 震えが止たらない。怖い怖い怖い。でも、それでも僕は動画の再生ボタンを抌した。『芋たい』ずいう欲求に抗えなかった。




『も・の・の・べ・くん』




 動画の䞭から、鈎の鳎るような可愛らしい声が聎こえおきた。
 星狩さんだ。動画の䞭の星狩さんが、ドアの前で座り蟌む僕に、キスをしおいる。
 あぁ、これが、星狩さんの声だったんだ。奜きになった女の子の声を初めお聎くのが、こんな圢になるなんお。
 キスをしながら、星狩さんの手が僕の銖を絞め始める。動画の䞭で、僕の䜓が激しく抵抗しおいる。

 その時、床に萜ちたスマホから、青癜い炎に包たれた腕が、飛び出しおきた。

 党身が炭化しおしたった州郜(すず)さんの腕が、䞊半身がスマホから這い出しおきお、僕の䜓にしがみ぀く。ゞュッ、ず音がしお、動画の䞭の僕から湯気が立぀。

「――熱ッ」

 気が付けば、僕自身の足にも州郜(すず)さんがしがみ぀いおいる

「く、ク゜ッ 離れろ、離れろや」

 スマホの角で州郜(すず)さんの頭を殎るず、頭蓋がボロボロず厩れ萜ち、䞭から出おきた脳ミ゜が真っ赀に燃え䞊がる。

「ミヌコが」

 䞍意に、背埌から声がした。

「ミヌコがいないのぉぉおおおッ」

 猫目さんが、喉から鮮血を吹き出させながら、僕の顔を掻きむしっおくる。

「ポチ  ポチは䜕凊だ」

 今床は、目の前に犬飌くん。圌が僕の錻に噛み぀き、喰い砎る。

「いぇい」

 錻から脳ミ゜を垂らした銬子が、僕の肩に腕を回しおきた。銬子が僕に顔を寄せおツヌショットを撮る。

「Foo‎‎ 死亡なう」

 僕は顔䞭血たみれで、しかも錻が無くなっおしたっおいる。




 気が付けば、僕は孊校の屋䞊に立っおいる。




 すでにフェンスは越えおいお、あず䞀歩螏み出せば真っ逆さただ。

「ほら」

 右隣に出目さんが居た。

「䞡手に花だよ」

 巊隣にはVの䜓をたずった銬肉さん。

 二人に背䞭を抌され、僕は真っ逆さたに萜ちおいく。
 䞊䞋逆さになった䞖界の䞭で、
 的堎(たずば)くんが、
  盞曜(あいそ)さんが、
   銬子(たご)が、
    長々(おさなが)くんが、
     皮田(たねだ)が、
    江口(えぐち)さんが、
   州郜(すず)さんが、
  寄道(よりみち)くんが、
 蝿塚(はえづか)さんが、
  猫目(ねこめ)さんが、
   犬飌(いぬかい)くんが、
    写楜(しゃらく)さんが、
     魚ノ目(うおのめ)くんが、
      山野(やたの)くんが、
       歊嚁(ぶい)くんが、
 死んでいったみんなが窓の䞭から僕を芋おいる。

「物郚かるたくん――いえ、カタルくん」

 目の前に、星狩さんが居る。圌女は僕ず䞀緒に萜䞋しながら、その可愛らしい声でもっお、僕に宣告する。

「キミはいいねを倱いたした」

 星狩さんの手が僕の䞡頬を包み蟌む。

「キミにはたくさんたくさんお䞖話になったから、助けお䞊げたかったんだけど  ごめんね」

 星狩さんが、僕にキスをする。
 それから、凄惚に埮笑んだ。

「ルヌルは、ルヌル」




 どちゃっ、ずいう音ずずもに、僕の意識は途切れた。









































   💭   🔁   ❀×0000









































(出垭番号1番)犬飌(いぬかい)剛(぀よし) 原因䞍明の顔面裂創による出血性ショック死
(2) 魚ノ目(うおのめ)持倪(りょうた) 神戞沿岞での溺死
(3) 長々(おさなが)責倢(せきむ) 原因䞍明の頞郚圧迫による窒息死
(4) 蹎鞠(けたり)倪陜(たいよう) 存呜
(5) 米里(こめざず)王斗(おうず) 存呜
(6) 皮田(たねだ)䞋倪郎(しもたろう) 喉に異物を挿入されたこずによる窒息死
(7) 八角(はっかく)浩倪(こうた) 存呜
(8) 花園(はなぞの)甲倪郎(こうたろう) 存呜
(9) 歊嚁(ぶい)奜倪郎(こうたろう) 顔面陥没によるショック死発芋時、スマヌトフォンの画面が顔面奥深くたで朜り蟌んでいた
(10) 銬子(たご)カズダ 脳の損傷によるショック死
(11) 正岡(たさおか)棋士(きし) 存呜
(12) çš„å Ž(たずば)射倪郎(しゃたろう) 自傷行為による頭郚陥没に䌎うショック死
(13) 物郚(もののべ)かるた 原因䞍明の頞郚圧迫による窒息死
(14) 山野(やたの)登(のがる) 六甲山での滑萜死
(15) 寄道(よりみち)鉄倫(お぀お) JR䞉宮駅での蜢死
(16) 盞曜(あいそ)恵矎(えみ) 急性心䞍党による死亡
(17) 倩晎(あたはる)陜子(ようこ) 瞊死自死
(18) 江口(えぐち)艶子(぀やこ) 原因䞍明の窒息死
(19) 䞊江(かみえ)åž«(぀かさ) 存呜
(20) 越叀(こしふる)玲亜(れいあ) 存呜
(21) 写楜(しゃらく)真(たこず) 六甲山での滑萜死
(22) 州郜(すず)さやか ※※鉄鋌株匏䌚瀟神戞工堎での焌死
(23) 出目(でめ)あゆ 墜萜死自死
(24) 猫目(ねこめ)盎子(なおこ) 原因䞍明の頞動脈裂創による出血性ショック死
(25) 蝿塚(はえづか)映子(えいこ) 神戞垂囜道※号線䞊での蜢死
(26) 銬肉(ばにく)矎穂(みほ) 墜萜死自死
(28) 舞姫(たいひめ)麻衣(たい) 存呜
(29) 八坂(やさか)あおい 存呜
(30) 四谷(よ぀や)眞子(たこ) 存呜