「君は、いつも図書室にいるよね?」

「なんで知って!?」

俺のことを気に掛けるやつがいたんだっと初めてしった。

しかも、俺は認知していなかったのだ。

だけど、相手は認知していたらしい。

「私も、稔(みのる)が本を読むから一緒に読んでいるんだ」

そうだ。

秋下と鷹野は幼馴染だ。

秋下は読書家だけど、鷹野が本を読んでいるところを見たことがない。

「意外だと思ったでしょ?」

俺はそんなに顔に出るタイプだったか?

「うん。案外出てるよ」

今まで顔に出ていただろうか?

「まぁ、嘘だけどね」

嘘?

じゃあ、なんで考えていることが分かったのだろう?

「まぁ、人間観察が趣味だからね」

人間観察が趣味って、結構ヤバい人のだろうか。

「まぁ、空気が読めやすいだけだよ」

彼女は、何か答えを濁らすように笑った。

「で、君はあの二人についてどう思ってるの?」

「えっと、俺は・・・」

「私はね。早よ付き合えって毎回思うんだよね~」

「俺もそう思う」

あの時の秋下はものすごく、本について聞いてくれて話を聞いてくれて喜んでいるように見えた。

「そっか」

鷹野は少し考えてから、俺のことをジーと見つけてくる。

「ねぇ、今週空いてる?」

「まあ、空いてるは空いてる」

そう。土日は何も用がないから暇だからいつでも空いている。

「じゃあ、ダブルデートだ!」

は?

「だから、私が君のことが好きだからダブルデートをしてよって誘おうと思うんだよね」

「それで、俺が鷹野のことが好きだからダブルデートに付き合って、と秋下を誘えばいいんだな」

それはそれで、無理な気がする。

「ううん。あの二人はあと一押しっぽいから私が誰か誘っておいて、っていとけばいいんだよ」

「よくわかってるね」

「まあ、二人とは長い付き合いだからね」

たしか中一からの付き合いだっけ?

「じゃあ、作戦決行!」

そうして、鷹野と俺とでの作戦が始まったのだった。