岳斗は非常に緊張していた。
「ここまで、長かったな。」
「……うん。」
並んでベッドに腰かけている岳斗と海斗。準備は全て整った、はずだ。後は海斗に任せておけばいい、と岳斗は思いつつ、不安と緊張が押し寄せる。今となっては、海斗があの英会話教師、マークに色々と習っておいてくれた事が有難い気さえする岳斗である。彼に怒っている場合ではない。
「岳斗。改めて、俺、お前を幸せにするから。」
海斗がそう語りかけるが、岳斗にはもう、何か言葉を発する余裕はない。心臓がバクバクして、手が震えている。
「大丈夫か?震えてるぞ。」
「う、うん。大丈夫。」
「お前が嫌なら、やめるぞ。」
「バカ、今更やめられるかよ。それに、俺だって、したいし。」
ガクガクしながらも、そう言う岳斗。
「岳斗、可愛いな。もう、絶対離さない。」
ガバッと海斗が岳斗を抱きしめた。そのまま、海斗は岳斗を押し倒す。
「俺、ずーっとこうしたかったんだ。お前と。」
海斗が岳斗の顔を撫でながら言う。
「いつから?」
「お前が中一の頃から。」
六年も前とは。
「よく我慢したね。」
「まったくだ。」
海斗はフフッと笑った。
「ハッピーバースデー、海斗。」
俺の、全てをプレゼントするよ……とは、恥ずかしくて言えない岳斗であった。
物心ついた時からお互いに大好きで、十年近く一緒に暮らしていたのに、岳斗の記憶が失われていた事もあり、恋人同士になったのは二年半ほど前の事。その後すぐに一緒に住めなくなり、忙しい海斗と時々しか会えなくなった岳斗。更にこの一年は遠距離恋愛。ようやく、また一緒に暮らせるようになった二人。
海斗は相変わらずどこへ行っても目立ち、好かれて、人気者。岳斗の心配は尽きないが、岳斗は海斗を守ると決めた。二人の関係も守ってみせる、と覚悟を決めた。岳斗は、海斗を愛しているから。
モテる兄貴を持つと……恋に堕ちる!(岳斗の場合)
完
「ここまで、長かったな。」
「……うん。」
並んでベッドに腰かけている岳斗と海斗。準備は全て整った、はずだ。後は海斗に任せておけばいい、と岳斗は思いつつ、不安と緊張が押し寄せる。今となっては、海斗があの英会話教師、マークに色々と習っておいてくれた事が有難い気さえする岳斗である。彼に怒っている場合ではない。
「岳斗。改めて、俺、お前を幸せにするから。」
海斗がそう語りかけるが、岳斗にはもう、何か言葉を発する余裕はない。心臓がバクバクして、手が震えている。
「大丈夫か?震えてるぞ。」
「う、うん。大丈夫。」
「お前が嫌なら、やめるぞ。」
「バカ、今更やめられるかよ。それに、俺だって、したいし。」
ガクガクしながらも、そう言う岳斗。
「岳斗、可愛いな。もう、絶対離さない。」
ガバッと海斗が岳斗を抱きしめた。そのまま、海斗は岳斗を押し倒す。
「俺、ずーっとこうしたかったんだ。お前と。」
海斗が岳斗の顔を撫でながら言う。
「いつから?」
「お前が中一の頃から。」
六年も前とは。
「よく我慢したね。」
「まったくだ。」
海斗はフフッと笑った。
「ハッピーバースデー、海斗。」
俺の、全てをプレゼントするよ……とは、恥ずかしくて言えない岳斗であった。
物心ついた時からお互いに大好きで、十年近く一緒に暮らしていたのに、岳斗の記憶が失われていた事もあり、恋人同士になったのは二年半ほど前の事。その後すぐに一緒に住めなくなり、忙しい海斗と時々しか会えなくなった岳斗。更にこの一年は遠距離恋愛。ようやく、また一緒に暮らせるようになった二人。
海斗は相変わらずどこへ行っても目立ち、好かれて、人気者。岳斗の心配は尽きないが、岳斗は海斗を守ると決めた。二人の関係も守ってみせる、と覚悟を決めた。岳斗は、海斗を愛しているから。
モテる兄貴を持つと……恋に堕ちる!(岳斗の場合)
完