坪内には自宅に帰ってすぐに断りの連絡を入れておいた。
あまり日向野の印象は悪くしないように、【あまり知らないと本人が言ってて、人見知りだから遠慮したいらしい】とだけ伝えた。
坪内はからすぐに了解の返信が来て、南川の件はあっという間に終わった。
ふと、ネットで“インフルエンサー・アキラ”を検索してみる。
学校では深く考えてしまったけれど、もしかしたら南川は日向野のストーカーだったのではないだろうか。
だとしたらかなり危険だ。あの日向野の表情も嫌な思いをさせられたからこそのものなのかもしれない。
調べると流行ってからのある程度の情報は知ることができた。
中学一年生から動画投稿アプリでショート動画の投稿を始めたらしい。
人気になった理由は中学生で顔が可愛くて歌が上手い、という未来の男子アイドル的要素を持っていたからだという。S N Sでも人気を得るために、付いたコメントには必ず返したり、配信アプリでは神対応な中学生として徐々に女性を中心に人気を得ていたそうだ。
それから高校に上がると企業からの案件が来始めて、本格的にインフルエンサーとして活躍を始めたという。
そして現在はインフルエンサーを中心とした事務所に所属し、活動の場を広げていると。
そういえばポチャチャとのコラボも最近だったぽいけど……。
「最近、なのか?」
自問自答するように思わず声に出した。
そんなピンポイントで、日向野が好きなポチャチャとコラボするだろうか。
案件ではなくて本当は自分から出し始めたのではないか。
日向野がポチャチャを好きになったのは幼少期からなわけだし、あの熱量を見るとにわかだとは思えない。
指は考える前に【インフルエンサー アキラ ポチャチャ】と検索窓に文字を打ち込んでいた。
検索結果はあまり知りたくのないものだった。
ヒットした記事はポチャチャコラボが決定し、そのことについてのインタビューを受けているものだったので、南川の言葉に間違い無いだろう。
【アキラさんにとって念願のコラボだという事ですが今のお気持ちは?】という質問に対して南川は【中学時代に好きだった友人が居て、それからはポチャチャの可愛さの虜でした。なのでコラボのお話をいただいた時は舞い上がりましたね。その友人に早く知らせたいです】と答えている。
胸の辺りがざわついてスマホを置いた。
何が本当なのだろう。南川が嘘をついているのか、日向野が嘘をついているのか。
深く探ってしまうのはダメなことはわかっている。けれど、解明しないと一生モヤモヤが残りそうだ。例え日向野と付き合ったとしても。
ならば坪内を通して聞いてしまおうか。いや、それはダメか。南川が自分の都合が良いように嘘をつく可能性がある。じゃあ直接日向野に聞くか。付き合うかどうかの判断材料にモヤモヤは無くしておきたいと。
でもそれもダメか。保健室であれだけ触れるなと言わんばかりの態度だったのに話を蒸し返すなんて。
日向野と出会ってからというもの、良くも悪くも毎日感情を振り回されている気がする。
八代はうつ伏せにベッドに倒れた。息をするために顔を上げると、ヘッドボードに置かれたポチャチャのフィギュアが目に入った。
浮き輪を持ったポチャチャは呑気に八代に向かってウィンクをしている。
そんな顔してないで真実を教えてくれよ。あの二人はどういう関係なんだ。
今考えたって到底答えに辿り着くことなどできない。それでも考えないなんて高度な技は、修行でもしない限り出来そうにもなかった。
あまり日向野の印象は悪くしないように、【あまり知らないと本人が言ってて、人見知りだから遠慮したいらしい】とだけ伝えた。
坪内はからすぐに了解の返信が来て、南川の件はあっという間に終わった。
ふと、ネットで“インフルエンサー・アキラ”を検索してみる。
学校では深く考えてしまったけれど、もしかしたら南川は日向野のストーカーだったのではないだろうか。
だとしたらかなり危険だ。あの日向野の表情も嫌な思いをさせられたからこそのものなのかもしれない。
調べると流行ってからのある程度の情報は知ることができた。
中学一年生から動画投稿アプリでショート動画の投稿を始めたらしい。
人気になった理由は中学生で顔が可愛くて歌が上手い、という未来の男子アイドル的要素を持っていたからだという。S N Sでも人気を得るために、付いたコメントには必ず返したり、配信アプリでは神対応な中学生として徐々に女性を中心に人気を得ていたそうだ。
それから高校に上がると企業からの案件が来始めて、本格的にインフルエンサーとして活躍を始めたという。
そして現在はインフルエンサーを中心とした事務所に所属し、活動の場を広げていると。
そういえばポチャチャとのコラボも最近だったぽいけど……。
「最近、なのか?」
自問自答するように思わず声に出した。
そんなピンポイントで、日向野が好きなポチャチャとコラボするだろうか。
案件ではなくて本当は自分から出し始めたのではないか。
日向野がポチャチャを好きになったのは幼少期からなわけだし、あの熱量を見るとにわかだとは思えない。
指は考える前に【インフルエンサー アキラ ポチャチャ】と検索窓に文字を打ち込んでいた。
検索結果はあまり知りたくのないものだった。
ヒットした記事はポチャチャコラボが決定し、そのことについてのインタビューを受けているものだったので、南川の言葉に間違い無いだろう。
【アキラさんにとって念願のコラボだという事ですが今のお気持ちは?】という質問に対して南川は【中学時代に好きだった友人が居て、それからはポチャチャの可愛さの虜でした。なのでコラボのお話をいただいた時は舞い上がりましたね。その友人に早く知らせたいです】と答えている。
胸の辺りがざわついてスマホを置いた。
何が本当なのだろう。南川が嘘をついているのか、日向野が嘘をついているのか。
深く探ってしまうのはダメなことはわかっている。けれど、解明しないと一生モヤモヤが残りそうだ。例え日向野と付き合ったとしても。
ならば坪内を通して聞いてしまおうか。いや、それはダメか。南川が自分の都合が良いように嘘をつく可能性がある。じゃあ直接日向野に聞くか。付き合うかどうかの判断材料にモヤモヤは無くしておきたいと。
でもそれもダメか。保健室であれだけ触れるなと言わんばかりの態度だったのに話を蒸し返すなんて。
日向野と出会ってからというもの、良くも悪くも毎日感情を振り回されている気がする。
八代はうつ伏せにベッドに倒れた。息をするために顔を上げると、ヘッドボードに置かれたポチャチャのフィギュアが目に入った。
浮き輪を持ったポチャチャは呑気に八代に向かってウィンクをしている。
そんな顔してないで真実を教えてくれよ。あの二人はどういう関係なんだ。
今考えたって到底答えに辿り着くことなどできない。それでも考えないなんて高度な技は、修行でもしない限り出来そうにもなかった。