夏樹と別れて、教室に向かった。

梨華たちは、また私の悪口でも言っているのだろうか?

でも、夕香が「それは、言い過ぎなんじゃない?」

って言ってくれているのかな。

教室の前についた。でも、教室に入る勇気がない。

また、悪口を言われていると考えると足がすくんでしまう。

あの二人のところに行ったら笑顔でいよう。

さっきのことは聞いてなかったことにする。

じゃないと、心に刺さったナイフがえぐりまくるだけだ。

「ただいま。ごめん」

「おかえり。芽衣」

夕香は、返事してくれたけど、でも梨華は黙ったままだった。

何かしたのかな?

それを、夕香は梨華の変化に気がついたのか、梨華に

心配していた。

「どうかしたの?梨華」

「えっ」

梨華は、私が、今帰ってきたみたいなびっくりした顔だった。

「えっ、いつのまに戻ってきていたの?」

梨華は、今まで見たことないぐらい目を見開いていた。

「少し前に戻ってきていたよ」

「そうなんだ~」

梨華の目は、泳いでいた。

これは、梨華が嘘をついているときの癖だ。

梨華自身は、知らないっぽいけど。

キーンコーンカーンコーン

チャイムがなった。

「じゃ」

梨華と夕香は自分の席に帰っていった。

先生が教室に入ってきた。

「授業始めるぞ~」