岡崎くんと別れて家に急ぐ。

歩いて十分ほどにある家に急ぐ必要は周りから見ればないのだろう。

でも、私にはあるのだ。

「ただいま」

玄関のドアを開けて声を出す。

それが聞こえたのかお母さんがリビングから顔を出す。

「帰ってきたのなら、手伝って」

いつもと同じことを繰り返す日々。

それがどれほど幸せなのだろう。

「うん」

玄関にあがってすぐある階段を上がり、すぐそばにある私の部屋に入る。

「ふー」

息を吐いて、荷物を棚の近くに置く。

一般的に見て私の部屋は女子の部屋だと思う人もいれば、いない人もいるだろう。

部屋の大体は本がぎっしり入ってる棚。

それと机とクローゼット。

クローゼットの中に、敷布団を入れてあるから部屋にはな棚が三つある。

その三つ中二つは本がパンパンだ。

「・・・手伝いに行きますか」

正直に言うとリビングなんかに行きたくない。

だけど、逆らうとめんどくさいのだ。

ネチネチと長い間、文句を言われる。

そんな時間はもったいない。

「もう少し早く来れなかったの?」

少し遅かっただけでまた、ネチネチと言いだした。

お母さんは言い出すと止めることができないから、聞き流すしか対処法がない。

「お皿、並べて」

「りょ」

会話がめんどくさくて適当に返事をする。

本当は、リビングになんか一分一秒たりとも居たくない。

でも、抗う方法がわからない。

「ただいま~」

心音(ここね)の声が玄関から帰ってきた。

「おかえり~」

お母さんは、料理をしながら答える。

心音は、一つ下の妹。

だけど、性格や容姿、頭脳何もかも違う。

私と心音を足して二で割ると完璧人間になると考えたことがあった。