新海部長とわたしは同じ部署に所属している。
そして、わたしがこの会社のこの部署に配属されてからもうすぐ2年が経つ。
部署にいる子どもがいない女性が私と部長だけだったこともあり、二人で飲みに行ったりすることも多く、部長とは親しくさせてもらっている。
わたしが新卒で最初に入った会社がいわゆるブラック企業で、鬱病になって3年経たずに泣く泣く退職してからは、あえて契約社員として働いている。
同じ会社でずっと働き続けていたら、年齢的には今ごろわたしも管理職に就いていたのかもしれない。
まあ、あの会社ではその前に多分死んでいたと思うけど。
30代が終わるまでは、わたしは生まれてきてこの世界に何も貢献できずに死んでいくのだろうかなんていう、ぐずぐずと煮え切らない感情にときどき振り回された。
しかし、40歳になった途端にすべてのことがどうでもよくなり、何を言われても気にならなくなった。
もう生きているだけでいいじゃないかと思うことにした。
他意のない言葉のナイフを避けるスキルが上がったのもある。
それでも、結婚だ子どもだ正社員だ何だと口うるさい母親がいる実家にはめっきり寄りつかなくなったし、年寄りばかりの親戚なんてもってのほかだった。
自分の人生の土台は固めつつあると思っている。
鬱病で無職だったころにSNSでミニマリストという考え方に出会ってから、時間をかけて持ち物や出費を減らすようにしていった結果、資産はいつしか1800万円を超えた。
洋服は年間15着だし、食費は自炊とお弁当で月1万5000円程度におさめ、ブランド品も買わないし広い部屋も必要ない。
終活を意識して、なくても何とかなるものはことごとく家の中からなくしたし、処分しやすいものが比較対象としてあるならばそちらを選択している。
ベッドじゃなくて、布団で十分。
ひとりだからソファは要らなくて、座椅子で問題なし。
テレビもない。
スマホのアプリでテレビ番組は観れるから。
それにわたしは、サブスクで音楽を聴くのが好きなのだ。
テレビに時間を縛られたくない。
音楽が私の世界をどこまでも広げてくれる。
人間関係も思いきって整理してしまった。
少子化とか晩婚化とか言うけど、同年代の友人は全員20代で結婚して子どもを産んでいたので、自然と疎遠になったし、自分からも距離を置いた。
シンプルに話が合わないので、どちらかがどちらかに話を合わせるしかないけど、その役割は大抵わたしに回ってくる。
彼女たちが意図しているのかそうではないのかは分からないが、どこまでも夫の愚痴と子どもの話が続く。
わたしには理解できない世界。
そうなんだねと作り笑いで相槌を打つことしかできなくなっていた。
そして、わたしがこの会社のこの部署に配属されてからもうすぐ2年が経つ。
部署にいる子どもがいない女性が私と部長だけだったこともあり、二人で飲みに行ったりすることも多く、部長とは親しくさせてもらっている。
わたしが新卒で最初に入った会社がいわゆるブラック企業で、鬱病になって3年経たずに泣く泣く退職してからは、あえて契約社員として働いている。
同じ会社でずっと働き続けていたら、年齢的には今ごろわたしも管理職に就いていたのかもしれない。
まあ、あの会社ではその前に多分死んでいたと思うけど。
30代が終わるまでは、わたしは生まれてきてこの世界に何も貢献できずに死んでいくのだろうかなんていう、ぐずぐずと煮え切らない感情にときどき振り回された。
しかし、40歳になった途端にすべてのことがどうでもよくなり、何を言われても気にならなくなった。
もう生きているだけでいいじゃないかと思うことにした。
他意のない言葉のナイフを避けるスキルが上がったのもある。
それでも、結婚だ子どもだ正社員だ何だと口うるさい母親がいる実家にはめっきり寄りつかなくなったし、年寄りばかりの親戚なんてもってのほかだった。
自分の人生の土台は固めつつあると思っている。
鬱病で無職だったころにSNSでミニマリストという考え方に出会ってから、時間をかけて持ち物や出費を減らすようにしていった結果、資産はいつしか1800万円を超えた。
洋服は年間15着だし、食費は自炊とお弁当で月1万5000円程度におさめ、ブランド品も買わないし広い部屋も必要ない。
終活を意識して、なくても何とかなるものはことごとく家の中からなくしたし、処分しやすいものが比較対象としてあるならばそちらを選択している。
ベッドじゃなくて、布団で十分。
ひとりだからソファは要らなくて、座椅子で問題なし。
テレビもない。
スマホのアプリでテレビ番組は観れるから。
それにわたしは、サブスクで音楽を聴くのが好きなのだ。
テレビに時間を縛られたくない。
音楽が私の世界をどこまでも広げてくれる。
人間関係も思いきって整理してしまった。
少子化とか晩婚化とか言うけど、同年代の友人は全員20代で結婚して子どもを産んでいたので、自然と疎遠になったし、自分からも距離を置いた。
シンプルに話が合わないので、どちらかがどちらかに話を合わせるしかないけど、その役割は大抵わたしに回ってくる。
彼女たちが意図しているのかそうではないのかは分からないが、どこまでも夫の愚痴と子どもの話が続く。
わたしには理解できない世界。
そうなんだねと作り笑いで相槌を打つことしかできなくなっていた。