紅葉たちが栗拾いをしている中、楓と氷空も拾っていたがちょっとぎこちない。

「紅葉ったら〜」
紅葉が栗を食い意地のはった顔で拾い集めているのをみて笑った楓

「紅葉さんはお姉さんでしたね。仲が良いのですか?たしかアヤカシに間違われて襲われたとか…」
「仲は良いですよ。一緒にいる時間が多いですから…よくではないですけど、襲われますね」
「紅葉さんを恨んだりしていないのですか?」
「いいえ。紅葉の方が苦労してますから。私は苦労した以上に風雅様と幸せになってほしいんです」

笑いながら話す楓に微笑む氷空。

「お優しい方ですね。声を掛けてよかった…」

「氷空は私を見かけたことあるんでしたね。いつからですか?」

「半年前です。楓さんが入院していた頃ですね」
「あ…」

今年の春頃にアヤカシに紅葉と間違われ怪我で入院していた。その数ヶ月後にアヤカシが紅葉に怒り楓はストレスで入院し退院する数日前に紅葉は生贄に行った頃だ。

「アヤカシの世界ではうちは病院をしています。アヤカシは丈夫なので滅多に来院しませんが番の人間の患者がほとんどです。よく4つの島に医学や医療道具など届けたりしています。楓さんを見かけたのも病院に勉強会の講義をしていた帰りでした」

「氷空はお医者さんなのですか?」
「はい、まだペーペーの新人ですが…」
「凄い。私、見えないところで氷空にお世話になってたんですね!」
「僕は何もしてませんからっ!」

楓から笑みがこぼれると氷空は照れてしまい楓の顔が見られない。


それから短い間ながらも楓と氷空は話しをした。
楓としてはまだ恋愛感情はないが、氷空の話しは興味深く話すのは楽しいと感じていた。