鵺のアヤカシが逃げていくと紅葉は風雅を抱きしめる

『紅葉…もう大丈夫だからね』
安心させるように、おでこに軽くキスをする
「………」

紅葉は震えていた

鵺のアヤカシが作った結界は消えたが、新たに風雅は風雅と紅葉だけの小さな結界を張った


紅葉は風雅の着物を強く掴み、胸の中で
風雅は何も言わず強く抱きしめた

『紅葉の大好きな虎ちゃんになろうか?』

「風雅がいい」

『…そう』


紅葉が泣きそうな顔で上を向くと

示し合わせた訳でもなく、2人はキスをした。

求め合うように何度も何度もキスをする
風雅はどう思っているかわからない。
でも紅葉には優しくて心が安らぐようだった。



「…なんかごめん」

『うん…』

「助けてくれてありがとう…ございます」


『戻ろっか』


手を繋ぎ、出口へ向かう